『ごんぎつね』、『手ぶくろを買いに』、「ころわん」シリーズなどの絵本作品で知られる絵本画家・黒井健。色鉛筆やパステルを使った繊細なタッチで、心温まるストーリーや切ない物語、可愛らしい動物の姿などを描き出した作品は、小さな子どもたちから大人まで多くの人に愛されています。
それらの作品の多くは、作家や物語との"出会い"によって生まれてきました。教科書でおなじみの新美南吉や宮沢賢治、脚本家・山田太一、児童文学作家・あまんきみこなど、優れた文学性と感性に触れ、その言葉に寄り添って描かれてきた作品には、黒井自身の覚えた感動が、読者に伝わるようにという願いが込められています。
2012年に画業40年の節目を迎えたことを記念する本展では、多くの作品から厳選した約150点の原画により、黒井健の世界をご紹介します。また、原画以外の木彫作品やフェルトアーティストでもある娘の凪(なぎ)とのコラボレーション作品も展示します。