戦争を経験した芸術家たちによる新たな表現への探求を紹介。
戦後美術の多様な展開を、当館の名品を通してたどります。
1950年代の日本は、敗戦を経験した芸術家たちが戦後の生き方や表現の仕方を求めて模索していた時代といえるでしょう。
戦争をあからさまに見つめる作品や、まなざしを自分の身近なものへと向けた作品がある一方で、具象とも抽象ともつかない作品も多く描かれました。50年代も後半になると、社会の秩序が徐々に回復されるのとは対照的に、「非定形」という意味の「アンフォルメル」という抽象表現が優勢になっていきます。本展では、このように多様に展開された1950年代の芸術を当館の洋画作品を中心に紹介します。