当館には開館当時から作品に触れて鑑賞できる展示スペースとしてタッチアートコーナーがあり、「美術に親しむ最初の場所」として無料で鑑賞することができます。目の自由、不自由にかかわらず、誰でも美術を鑑賞できるよう、点字を置くなどしながら様々な企画を行ってきました。今回はそのタッチアートコーナーの趣旨をそのままに、拡大展として開催いたします。全ての作品に触れられるわけではありませんが、視覚以外の感覚を働かせて作品をご鑑賞ください。
本展は活躍中の作家3名の作品で構成されています。木を素材に、平面作品でありながら、その平面作品のパーツを組み立てるとイスやテーブルになる作品を制作する現代美術家の西尾路子(にしおろこ)(1951-)。芯からセロハンテープのみで作り上げた立体作品をはじめ、カラーセロテープを用いて新たな表現を展開するセロテープアーティストの瀬畑亮(せはたりょう)(1974-)。FRP(繊維強化プラスチック)を用いて、身体の部分をモティーフに独創的な形とカラフルな色で立体作品を制作する立体作家のいしばしめぐみ(1976-)。どの作品も触れたくなる魅力をたっぷり秘めている作品です。肩の力を抜いて純粋にアートをお楽しみください。
本展では作家による各種イベントを準備していますので気楽にご参加ください。個性的な作家と直接触れあうことで、夏のアート体験が一層深く心に残ることでしょう。この機会をきっかけにアートの世界にはじめの一歩を踏み出してみませんか。