島根県津和野町出身で、絵本、風景画、装画、エッセーなど幅広い分野で世界的な活躍を続ける画家・安野光雅。安野さんは、昭和43(1968)年、文章のない絵本『ふしぎなえ』で絵本界にデビュー。その後も、豊かな知識と想像力を駆使し、緻密に作り上げられた視覚トリックや遊び心あふれる独創性に富んだ作品を発表。また淡い色調の水彩によって描かれたヨーロッパの街並みや日本のふるさと風景、独自の感性で描かれた歴史物語など、その幅広い画風は、これが同一作家の描いた作品かと思うほど、多くのファンを魅了し続けています。
その才能の豊かさは、芸術の世界だけにとどまらず、科学・数学・文学などにも造詣が深く、これまで出版された著書は200冊を超え、これらの業績に対し、ボローニャ国際児童図書展グラフィック大賞、国際アンデルセン賞、菊池寛賞をはじめとする国内外の数多くの賞が贈られています。
本展では、津和野町立安野光雅美術館の全面協力により、『旅の絵本Ⅵ』(デンマーク編)の全点展示をはじめ、『繪本 歌の旅』『歌の風景』『繪本平家物語』など名作絵本の中から約100点を展示し、子どもから大人まで楽しめる、魅力いっぱいの安野ワールドをご紹介します。