昭和55年3月20日「小林和作の生涯」展により、尾道市立美術館は開館しました。昭和50年、芸術文化をこよなく愛する市民らの草野の根運動的な要望が沸き起こるなかで多くの浄財を集め、その期待に応えるように、地域社会における芸術文化の発信拠点として当館は建設されました。
しまなみ海道を一望する眺望は来館者にとってさながら一枚の絵画と賞賛され、国内外の優れた美術品を紹介してきた多彩な展覧会は、多くの市民らの芸術文化意識高揚に貢献してきました。本展では、開館以来取り組んできた作品蒐集と節目毎に展覧会を開催してきた小林和作に焦点をあて、尾道美術界が旺盛を極めた和作を取り巻く作家たちとの交流とともに、30年に亘る美術館の歴史とその所蔵コレクションを紹介します。