情緒を排した力強い凝視力で被写体に迫り、研ぎ澄まされた造形感覚で写真を構成する石元康博(いしもと やすひろ、1921年生まれ。199年文化功労者。)の個展です。
石元氏は、サンフランシスコに生まれ父の故郷である高知県に帰郷しますが、1939年にシカゴに渡り、バウハウスの教育理念を継承した「ニュー・バウハウス」で写真教育を受けました。1953年頃からは日米を行き来し、戦後日本の写真界に多大な影響を与え、1969年以降は日本を拠点として精力的な活動を展開しています。
代表的なシリーズに、「桂」、「シカゴ」、「伊勢神宮」などがありますが、本展は過去のシリーズの枠組みにとらわれず、〈人〉、〈街〉、〈建築〉、〈仏〉、〈かたち〉といった視点から作品を構成し、石元氏の作品を総合的に紹介します。