五穀(ごこく)を蓄(たくわ)えたり水を溜めたりして、人々の生活を支えた壺(つぼ)や甕(かめ)。その造形の力強さと素朴さが中世のやきものの大きな魅力です。荒々しい土肌(つちはだ)、流れるような自然釉(しぜんゆう)をまとう姿は、たくましくしなやかに生きた当時の人々の豊かな生命力を宿すようです。本展は、六古窯とよばれる瀬戸(せと)・常滑(とこなめ)・越前(えちぜん)・信楽(しがらき)・丹波(たんば)・備前(びぜん)を中心に、美濃(みの)や珠洲(すず)など各地の古陶を広く紹介し、中世のやきものの全体像に迫ります。