古事記は、現存する日本最古の歴史書です。今から約1300年前、天皇の命を受けた稗田阿礼(ひえだのあれ)と太安万侶(おおのやすまろ)によって712(和銅5)年に完成したとされています。歴史書とはいえ、スサノオのオロチ退治や、オオクニヌシの国譲り、ヤマトタケルの冒険談など、心躍る神話がたくさん記され、今も多くの芸術家にインスピレーションを与えています。
美術の世界において、古事記に語られる神話は、明治以降多くの画家や彫刻家に表現されました。それらが生み出された背景には、時代の要請や神話への憧憬など様々ありますが、目に見えぬ神々や、言葉で表された神話を芸術で視覚化してゆく作業を作家達はどのように行い、またその作品を見る私たちにどのような影響をもたらしたのでしょうか。
本展覧会は、島根に八百万の神々が集まるとされる神在月を中心に開催し、絵画や彫刻など90点の近代美術で古事記の名場面をたどるとともに、美術の役割についても考えてみたいと思います。
◎会期中展示替があります!
[前期]9月17日(金)~10月11日(月・祝)
[後期]10月13日(水)~11月7日(日)