本展は、国内外の近現代の画家たちが使用していた描画用具の一つであるパレットと、彼らが描いた作品を併せて展示し、巨匠たちの素顔と魅力に迫るものです。通常、出来上がった作品を見ても画家が使用したパレットを目にすることはほとんどありません。しかし、パレット上での絵の具の配置や混色場所、形跡などからは、画家たちの個性や性格などを読み解くことができますし、パレットを展示することで作品が出来上がるまでの過程などを想像したりして、作品鑑賞の幅を広げることにもつながると思います。本展に出品されるパレットは、財団法人日動美術財団所有のものであり、収集のきっかけは、1967年、日動画廊の創業者である長谷川仁、林子夫婦の古希の祝いと画廊創業40周年記念でした。本展では今日まで収集された数多くの中から、梅原龍三郎や安井曾太郎と言った日本の近現代洋画家たちのほか、ピカソ、マティスなどの外国人画家、そして鈴木千久馬や西山真一など福井縁の画家たちのパレットと作品、合わせて約120点を展示します。