1898(明治31)年に岡倉天心によって創立された日本美術院。一時は活動休止を余儀なくされましたが、1914(大正3)年、横山大観らが中心となって再興し、第1回再興院展を開催しました。「日本美術院は芸術の自由研究を主とす、故に教師なし先輩あり、教習なし研究あり」の精神で、作家たちは互いに切磋琢磨し、独自の世界を切り拓いてきました。創立から110年を超える今も、先人たちが築いてきた精神が受け継がれています。
本展では日本美術院同人作家の新作33点をはじめ、受賞作品、および九州出身・在住作家の入選作品を含む72点を展示します。2009年12月2日に亡くなられた平山郁夫をはじめ、松尾敏男、那波多目功一ら多くのベテラン作家から気鋭の若手作家まで、それぞれが自己の芸術と真摯に向き合い、日々研究を重ねている成果が披露されます。平山郁夫は院展への最後の出品となりますが、衰えを感じさせない壮大で幻想的な作品でゆるぎない存在感を示しています。
日本画の表現の多彩さと可能性、新たな日本画の創造に挑む作家たちの気迫をぜひ会場で感じて下さい。