御木幽石(みき・ゆうせき、1966~)は北九州市小倉に生まれ、現在も市内を拠点に活動している書家・和体書*1デザイナーである。
幼い頃より手先が器用だった御木は始め油彩を学びますが、高校入学を機に書の道に入り、やがて手島右卿などに影響されアートとしての書を意識するようになった。
大学卒業後は書家として活動する一方、書を生かした広告デザインに興味を持ち、近年では1998年のサッカーワールドカップ仏大会開催記念の国際ポスターコンペティションで入選、仏スポーツ博物館に作品が永久保存されている。また、地蔵などをモチーフにした墨彩画と詩文のシリーズも手がけ、淡い色彩をまとった墨画に言葉をリズミカルにつづる書の組み合わせは、詩・書・画の融合という伝統を踏まえながらも見る人の心にやさしく語りかけてくる。
本展覧会は、最新作を含む書、墨彩画、そしてデザインにおけるこれまでの作品や関連資料を展示するもので、地元・北九州では初の個展となる。
*1 御木の造語で、毛筆による文字デザインのこと