地中海の宝石-チュニジア。風光明媚で魅力あふれるこの国に、古代都市カルタゴは今から約2800年前、海洋民族フェニキア人によって建国されました。カルタゴは優れた航海術と巧みな交易により強大化し、「地中海の女王」と称され栄華を極めました。しかし、名将・ハンニバルも登場した、宿敵ローマとのポエニ戦争で、悲劇的な結末を迎えます。
一度はローマによって消滅させられたカルタゴですが、それから100年後、ローマ帝国の植民都市としてよみがえり、再び黄金時代を取り戻します。
「北アフリカのローマ」として再び円熟期を迎えた新生カルタゴでは、ローマとカルタゴの伝統が融合した華麗な文化・芸術が花開きました。色彩豊かな“石の絵画”モザイクは、まさにその結晶の一つと言えます。
本展覧会では、9割以上が日本初公開となる、チュニジア国立博物館群の名品約160点を通して、古代に繰り広げられた地中海世界の壮大なドラマを紹介します。