「文明開化」は、近代日本の幕開けとなった明治時代を象徴する言葉として用いられています。1895年(明治28)に生まれた川上澄生は、西洋と日本文化の出会いに興味と関心を持ち、「文明開化」は「自分の生活がその時代の中にある」世界でした。
明治の人々は洋服に下駄、あるいは和服に洋傘など「ちぐはぐな」いでたちで往来を歩き、生活にはランプや時計などが溶け込んでいました。そうした姿を澄生は「日本人は新奇なものを好む」と述べていますが、作品をつぶさに見てゆくと、まさに自身もそうであったことがわかります。
本展は、「復興する東京に見たもの」、「明治の世界」、「洋燈、時計、おもちゃなど」の3つのテーマから、川上が文明開化に寄せる想いについて紹介するものです。