児玉成弘(大分市在住)は、1932年、大野郡三重町(現:豊後大野市)に生まれました。1955年、大分大学教育学部を卒業後、中学校で美術・英語を教える一方、本格的に油彩画の制作に取り組み、1959年、第13回二紀展に初出品して初入選。以後、行動美術展への出品を始め、1962年、第17回行動美術展に初入選、以降、同展を主舞台として中央での発表を続け、1983年、第38回行動美術展で奨励賞を受賞、同協会会友となり、1991年、同協会会員に推挙されました。
また、地元大分では、1961年の「大分前衛美術会」、1968年から1972年までの「7人の会」、80年からの「潮流展」、その後の「新潮流展」など、新進の美術グループに参加するとともに、1974年には、二宮秀夫らと「行動大分作家協会」を立ち上げ、1985年からは、大分県美術協会事務局次長(日洋彫工部事務局長)を務めるなど、大分県美術の振興に尽力しました。
本展では、初期の「少年」、「患者の日課」、中期の「視座」、「街角」、近年の「視界」、「生域」等のシリーズから代表作約60点、並びに関連資料を展示し、その活動の全容を紹介します。