人を招く時、そこえは日常とは異なる特別な趣向が凝らされます。そこにお客様に対する心づかい、すなわち「おもてなしの心」が美しい形となって現れるのです。春を迎えるこの季節、新春から雛祭・花見に至る華やかな諸行事やそのしつらいをご紹介するとともに、類聚雑要抄指図巻に観る平安時代の食膳やしつらい、お伽草子絵巻の中の中世の酒宴、近世の遊楽図や浮世絵に描かれた賑やかな宴の姿をたどり、食膳具・酒器・茶道具など、サントリー美術館所蔵のおもてなしの器の数々を通じて、日本のおもてないしの心が育んだ美の世界を探ります。