本展は中国の河南省文物考古研究所が近年進めてきた河南省宝豊県清凉寺(かなんしょう ほうほうけん せいりょうじ)の北宋汝窯(じょよう)青磁窯址の考古発掘成果を日本で初めて紹介する展覧会です。北宋汝窯の伝世品は北京・台北の両故宮博物院をはじめ世界でも数少ないもので、日本では当館所蔵の「青磁水仙盆」が知られています。北宋末期、北宋宮廷の命により宮廷用の青磁製品を製作した汝窯は、「天青色(てんせいしょく)」とも呼ばれる青みがかった独特の釉色と精緻なつくりで知られ、中国の青磁を代表するものの一つとして評価が高いものです。本展は宝豊県清凉寺汝窯窯址の出土資料約80点により、北宋汝窯青磁の謎と魅力に迫ります。なお、本展では近年汝州市内で発見され注目されている張公巷(ちょうこうこう)窯址の出土資料の一部も併せてご紹介します。