九州は日本の西の端に位置していますが、北の韓国から南の台湾にいたる環東シナ海の中央部を占めています。そのため九州は古来より南方の文化や大陸の文化、さらには西洋の文化をいち早く受け入れてきました。そして、稲作やキリシタンなど、この新しい生業や信仰は、日本の有り様を根底から変えるインパクトともなりました。
本展覧会では、こうした九州の歴史的な役割を対外交渉の視角でとらえながら、一方で多様性に富んだ九州の古代文化について、考古学の成果をもとに浮かび上がらせたいと考えています。また、九州各県の考古資料の名品とともに、東京や関西の博物館から里帰りする九州ゆかりの至宝と合わせて、古代九州の魅力をお伝えします。