葛飾北斎と歌川広重は江戸後期のほぼ同時期に活躍し、浮世絵風景画の双璧ともいえる代表的絵師たちです。
葛飾北斎は多作で知られ風景、美人画、動物、版本挿絵などジャンルも多彩です。風景画の代表作《神奈川沖浪裏》の巨大な浪の構図の大胆さ、斬新さは現代においても変わることなく私たちの目を引きつけます。
北斎の風景画の特徴が躍動的であるのに対して、広重は「ヒロシゲブルー」といわれる独特の色づかいと抒情的な風景画が特徴です。《東海道五十三次》シリーズなど遠近感を駆使した斬新な構図、軽快さの中に旅情を交えた作風で人気を博しました。また広重は風景画以外にも「魚づくし」などの魚類画や、花鳥画も数多く描いています。当館のコレクションから、今なお不動の人気を誇る浮世絵師、北斎・広重の作品をご紹介します。