江戸時代初期、慶長16年(1611)、名古屋で創業された松坂屋は、新たなデザインの研究と呉服意匠開発を目的として昭和6年(1931)、京都仕入店に染織参考館を設置し、古今東西の染織関係資料を積極的に収集し、なかでも小袖は、振袖や帷子(かたびら)などを加えると、総数700点を数え、国内でも屈指のコレクションとなっています。
本展では、松坂屋京都染織参考館が収集し、長らく門外不出であった染織資料から、江戸時代初期から後期までを網羅する豪華な小袖(こそで)の数々と当時流行の模様が掲載された雛形本(ひながたぼん)を中心に多彩な優品約300点を紹介いたします。
四季の移ろいを大切にする日本人の感性が豊かに、独創的に表現された小袖を通して日本文化が育んできた美のすばらしさをぜひお楽しみください。