20世紀初頭、「エコール・ド・パリ」(パリ派)と呼ばれた、世界中からパリのモンパルナスに集まった若き画家達は、貧困と戦う苦しい生活の中でも夢と希望を失わず、多くの名作を世に遺しました。本展は、エコール・ド・パリの画家達が描いた春にふさわしい名品の中から『花』と『美女』をテーマにした作品を展示致します。
『花』の作品としては、独自の神秘的な雰囲気の中にも可憐な春の花を描いたルドン「花瓶の花」、フランスらしい上品な雰囲気のラプラード「花」、薄紫色の大輪のバラが大人の雰囲気を感じさせるドンゲン「冬の薔薇」、陶磁器のようなマチエールが際立つキスリング「花」、甘美な優しい画風のローランサン「花」等を展示致します。
『美女』の作品としては、モジリアニの哀愁を帯びた青い目が印象的な「ニースの歌姫」、独特の乳白色の象牙のような光沢のある肌と細く優美な黒線で描かれたフジタ「婦人像」。又、ローランサンの円熟期の代表作「少女と小鳥」、ピンクの淡い色調で描かれた「踊り子」や彼女が挿絵を担当した「クレーブの奥方」より、「シャルトル姫後のクレーブの奥方」等のエッチングも併せてお楽しみ頂きます。
100年に一度といわれる金融危機のこの時代、貧困の中でも夢と希望を失わずにいたエコール・ド・パリの画家達に思いを馳せ、花と美女に囲まれた幸せな一時をお過ごし下さい。