当館のコレクションの中から「海」をテーマにした絵画作品を展示し、海をめぐるさまざまな表現や画家たちの視点をご紹介いたします。
海には本来定まった色も形もありません。しかし画家たちは、彼方に広がる水平線や波、それらに反射する光と色彩によって、あるいは航海や海水浴などをおこなう場所として、海を描き出しました。またシュルレアリスム絵画や抽象絵画の中にも、深海を泳ぐ海洋生物を思わせる象徴的なイメージが、空間を浮遊するように描き込まれることがあります。
天地創造、生命誕生などの舞台として聖書や神話、物語に登場する海は、時には畏怖を、時には憧れを抱かせる存在であり、多くの画家たちにとって風景画というジャンルを越えてインスピレーションの源となっていました。
本展は「かたち」「いろ」「モティーフ」「イメージ」の4部で構成されます。「海」というテーマを通して当館のコレクションの一側面をお楽しみいただければ幸いです。