いま、静かにブームを迎えている書の世界。そもそも書とは、文字を筆・墨・紙で表したものです。古来、記録することを主たる目的として機能してきた一方で、人々は、語らうことばや満ちあふれる思いを、各々の表現力によって書きとどめてきました。ことばの持つ独特の響きや意味内容のみならず、書かれたその表情や姿形の妙趣がこれに連動することで、世界は果てなく広がり伝わりゆく・・・・・ここに書の魅力があります。すなわち書の世界観を理解するということは、文字と書表現とがせめぎ合う”チカラ”の関係を紐解くことに他なりません。本展では、古代から現代までの優れた書作品を比較展示し、書における伝統と創造のあり方を探ります。