朝鮮王朝は、太祖李成桂(在位1392~1398)によって1392年に創始されて以来、518年の長きに渡り続きました。近隣の大国中国では明と清、日本では室町と江戸という2つの時代をも超える長命な王朝でした。日本と朝鮮半島との文化交流の歴史は古く、弥生時代、古墳時代にまで遡ります。そして、その流れは朝鮮王朝時代になっても同様で、日朝貿易などによる物資の往来と共に文物の交流が盛んに行なわれました。中でも、王朝から将来された多くの絵画から日本画壇が受けた影響は決して小さなものではなかったはずです。そこで本展は、日本と同様に中国絵画からの影響を強く受けた朝鮮王朝の絵画を通観し、日本の有力画家たちの制作活動を中心とした室町・江戸絵画との影響関係を探ることによって、東アジアにおける同時代絵画に対する新たな見識を得ることを目的としました。尚、本展には韓国の国立中央博物館や国立古宮博物館、ソウル大学博物館、高麗大学博物館、東国大学博物館、ソウル市内個人所蔵家からの出品が予定されています。