世界に誇るメゾチント、マニエール・ノワールの二大巨匠、長谷川潔と浜口陽三の奇跡の黒の競演をお楽しみ下さい。 長谷川潔は、1918年に27歳でフランスに渡り、途絶えていた「黒の技法」マニエール・ノワールを再創造して高い評価を得ました。生涯一度も帰国することなくフランスで活動し、晩年に取り組んだメゾチントによる静物画は、目に見えない宇宙のリズムまでも伝えるようで、長谷川芸術の到達点を示しています。 浜口陽三は、ヨーロッパの古典技法であるメゾチントを再生し、新たにカラーメゾチントの世界を生み出しました。ブリタニカ百科事典の「メゾチント」の項目では「20世紀半ばの最も名高い、孤高ともいえる主導者」、「カラーメゾチントの新しい技法を開拓した作家」と紹介されています。浜口の高度な技術から生まれる繊細で静謐な作風は、他の追随を許さず高く評価されています。