20世紀の日本は急激な西洋化と近代化に伴い、社会の仕組みや人々の意識が大きく変化した時代です。このような時代の変化とともに日本画もその時々の美意識や価値観を反映するとともに、西洋絵画の影響も受けながら近代絵画として洗練された多彩な作品を生み出してきました。
明治31年(1898)に岡倉天心らによって創設された日本美術院(院展)は、明治39年(1906)の五浦移転、大正3年(1914)の横山大観らによる再興などを経て現在まで、20世紀の日本画の歴史とともに歩んできました。また、院展の画家たちは、天心の意志を受け継ぎ、個性を尊重した自由な制作を求めて研鑽を重ね、日本画の発展に大きく寄与してきました。
本展では、横山大観、下村観山ら日本美術院創立時のメンバーから、現在活躍中の画家までの作品28点を展示し、明治から平成に至る日本画の変遷と多様性を紹介します。