《国宝 日光菩薩立像》《国宝 月光菩薩像》
初のふたり旅、春の東京。
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薬師寺は、天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を願って天武天皇九年(680)に創建を発願した由緒ある大和の古寺です。はじめは藤原京に伽藍が造られましたが、養老二年(718)に平城京に移されて現在に至り、平成10年(1998)には、ユネスコの世界遺産に登録されました。
薬師寺には、金堂の薬師三尊像や東院堂の聖観音菩薩立像などをはじめとする名宝が、大切に保管されつづけ今日に伝えられています。
本展覧会は、平城遷都1300年を記念して開催するもので、日本仏教彫刻の最高傑作のひとつとして知られる金堂の日光・月光菩薩立像(国宝)がそろって寺外ではじめて公開されます。また、聖観音菩薩立像(国宝)、慈恩大師像(国宝)、吉祥天像(国宝)などの仏像、絵画の至宝に加えて、神像の名品として名高い八幡三神像(国宝)や草創期の寺の姿をたどる考古遺物など薬師寺の貴重な文化財をご覧いただけます。また、会場では東京国立博物館ならではの工夫をこらした展示をいたします。
日本人の心の故郷ともいうべき「まほろば」奈良の都。その中でも最も古い薬師寺の歴史と美のエッセンスをお届けするこの展覧会は、空前絶後といっても過言ではない質の高さを誇るものです。