高島菊次郎氏(1875~1969)は、日本の製紙業界に大きな貢献を残すかたわら、中国の思想・美術に関する深い学識を背景に、中国の書画を収集されました。高島コレクションとして早くから内外に喧伝されたそれらの作品は、戦前から各種の刊行物に紹介され、江湖の愛好者の渇を癒すのみならず、今なお多くの研究者に貴重な資料を提供しています。
東洋館が開館を間近にひかえた昭和40年(1965)春、高島氏は愛蔵の中国書画を当館に寄贈されました。高島氏の歿後も、令夫人光子氏、令息泰二氏によって寄贈された高島氏遺愛の作品は、都合300点を超える多きに至ります。東洋館の陳列を常に支えてきた高島コレクションの中から、数々の優品や資料的価値の高い作品を選んで陳列いたします。どうぞご清賞ください。