本展は民族染織品の研究家として知られる岩立広子氏が、約35年間をかけてインド各地の村々を巡り収集した暮らしを彩る染織品の中から、約400点の優品を選び一堂に展覧するものです。広大なインドの大地の豊かな自然と、民衆の敬虔な祈りから織りなされたインドの染織品は、まさに「大地の布」と呼ぶに相応しい地上の精華と言えましょう。
今回紹介される、手紡ぎの木綿や絹や山羊の毛などを素材とする、絣・絞り・更紗・刺子・刺繍・パッチ ワークなどの技法を用いた、インド各地の衣裳や掛布・敷物・袋物などには、生活に根ざした独自の色彩や文様などが息づいており、多くの人を魅了してやみません。
尚、本展覧会は「日印交流年」の記念事業として開催されるもので、会期中には企画展示にあわせて、「異文化理解」講座―インドの染織文化に親しむ―を催します。