ペルジーノは、15世紀イタリア中部のウンブリア地方の作家たち“ウンブリア派”を代表する作家です。当時はレオナルド・ダ・ヴィンチと比肩するほどの名声を得ており、ラファエロの父親をして「神のごとき画家」と言わしめ、息子を修行に出したのがこのペルジーノの工房だったと伝記作家ヴァザーリは伝えています。ペルジーノの「ドルチェ(甘美)」な画風は、ラファエロの「優美」へと受け継がれ、初期ルネサンスから盛期ルネサンスへの橋渡しという重要な役割を果たしたのです。
今回の展覧会では、初期の瑞々しい作品から、柔和で甘美な詩情あふれる最盛期を経て、晩年までのペルジーノの生涯の製作を紹介するとともに、ウンブリア派の他の作家やラファエロの関連作品も紹介いたします。ルネサンス美術の興味深い一端をお楽しみいただければ幸いに存じます。