甲府市出身の萩原英雄は東京美術学校(現東京藝術大学美術学部)で油画を学び、戦後病床の中で版画と出会い、版画制作を始めます。第二回東京国際版画ビエンナーレ(1960年)における《石の花(赤)》の神奈川県立近代美術館賞受賞を皮切りに、数々の賞を獲得し、木版画家の第一人者として国内のみならず海外においても高い評価を受けています。山梨県立美術館は、平成12年度に作家本人から数多くの作品寄贈を受けました。本展では、4000点にも及ぶその寄贈作品のうち、200余点を厳選し、作家萩原の歩んできた道程をご覧頂きます。具象、抽象という枠を超えて魅力を放つ豊かな色彩。同時代の潮流に流されず培われた伝統と革新の技の融合をご堪能下さい。