茶席の釜は、あたたかい茶を客にふるまうために常に炉にあって湯を沸かしています。茶会をおこなうのに、「釜をかける」という言葉が用いられますが、釜は、茶会の最初から最後まで席中にあり、その茶会を象徴するような重要な道具です。
香合は、香を入れる器です。香合から取り出された香は、炉にくべられて席中を清らかな香りで満たします。香が取り出された後、香合は客の所望に応じて拝見に供されます。
茶席の道具のなかで、最初に客の目を惹く釜と香合-。釜には様々な形があり、鑵付・地文にも意匠が凝らされ、香合もその愛らしい形が、実用を超えて見るものの眼を楽しませてくれます。
本展では、当館所蔵の茶道具のから釜と香合を中心に展示いたします。初公開の釜を含め、出品総数は57点。そのデザイン魅力をご堪能頂けましたら、幸に存じます。