夏休み企画として、当館の所蔵作品の中から、顔をテーマにした作品約30点を紹介します。
顔は古くから美術作品に取りあげられてきたテーマです。古代ローマのプリニウスの『博物誌』には、コリントの陶器商の娘が旅立つ恋人の姿を残しておくために壁に影をかたどった・・・というギリシャの説話が紹介されています。外国への長い旅に出なくてはならない恋人との別れを悲しんだ娘が、ランプの光で壁にうつしだされた恋人の影をなぞり、その姿を残したというのです。このロマンティックな物語は、絵画や彫刻の起源とみなされました。現代に至るまで、いろんな時代のいろんな芸術家がいろんな顔のいろんな表情に取り組んできました。
会場では顔を描くコーナーも設ける予定です。みなさんにとって身近な「顔」を見直してみませんか?