ID:80657
岡倉天心記念室 令和7年度第2回
Venue
茨城県天心記念五浦美術館 岡倉天心記念室
TENSHIN MEMORIAL MUSEUM OF ART, IBARAKI
Period
2025年8月19日(火曜日)~10月19日(日曜日)
Exhibition Outline
岡倉天心記念室 令和7年度第2回 オカクラテンシンキネンシツ レイワ7ネンドダイ2カイ
書簡や遺品など貴重な資料によって、近代日本美術の発展に大きく貢献した岡倉天心の業績を紹介するほか、横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山ら五浦の作家たちの作品を紹介しています。
また2022年4月より、日本画家・荒井経氏協力のもと復元した天心邸書斎の障壁画を公開しています。
テーマ展示
テーマを設けて天心らの業績の紹介や、新収蔵資料を展示しています。
展示テーマ 戦後80年 天心とウォーナー、そして新納忠之介
開催期間 2025年8月19日(火曜日)~10月19日(日曜日)
太平洋戦争が激化する昭和18年(1943)、アメリカで敵国地域の貴重な文化財を保護することを目的に「戦争地域における美術的及び歴史的記念物の保護及び救済に対するアメリカの委員会」が設立された。東洋美術史家ラングドン・ウォーナー(1881-1955)は、その極東部主任を務め、日本全国の重要な寺社仏閣等のリスト(いわゆる「ウォーナーリスト」)を作成した。戦後、日本では奈良や京都が爆撃から免れたのは彼の働きのためであるとされ、彼自身の否定の言にもかかわらず、日本各地で顕彰運動が沸き起こった。この誤解の背景には、ウォーナーが岡倉天心の薫陶を得て日本と深い関わりをもち、アメリカにおける東洋美術研究の第一人者であったことが影響しているかもしれない。
明治39年(1906)、ボストン美術館中国日本美術部キュレーターの訓練候補生に選出されたウォーナーは、日本にいる天心を訪ね、五浦にも滞在した。東洋美術を学ぶことを希望する彼のため天心が紹介したのは、奈良にいる新納忠之介(1869-1954)だった。
東京美術学校で木彫を学んだ新納は天心の命を受け、奈良の日本美術院第二部 (彫刻部門) の中心として、近代的な仏像修復技術を確立して活躍していた。ウォーナーは約1年間、新納の家に寄寓し、新納の家族と生活を共にしながら仏像の様式や構造などを実地で学んだ。以後もウォーナーは度々日本を訪れ、二人の交流は生涯にわたり続いた。
ここでは、明治43年(1910)に再来日したウォーナーへの指導を天心が新納に依頼した書簡や、戦後、ウォーナーがリストの作成に対する率直な心境を新納に宛てて綴った書簡を紹介する。ウォーナーは「奈良や京都が爆撃から免れたのはアメリカ空軍の施策だった」と綴る一方、「もしリストが役立ったのなら、それはあなた(新納)のご教示の賜物です」と新納に対し感謝の思いを述べている。
文化財保護行政に尽力した天心と、彼の下で仏像修復に生涯を捧げた新納。両者の日本の文化財への愛情は国境を越え、ウォーナーへも受け継がれたのだった。
展示資料
・岡倉天心「書簡・新納忠之介宛」明治43年10月29日付、当館蔵(新納義雄氏寄贈)
・ラングドン・ウォーナー「書簡・新納忠之介宛」昭和20年12月28日付、当館蔵(新納義雄氏寄贈)
・撮影者不詳「ラングドン・ウォーナー肖像写真 」明治41年、当館蔵(新納義雄氏寄贈)
- Organizer
- 茨城県天心記念五浦美術館
- Closing Days
- 毎週月曜日(ただし、9月15日[月曜日・祝日]、10月13日[月曜日]は開館。9月16日[火曜日]、10月14日[火曜日]は休館)
- Opening Hours
- 午前9時30分 ~ 午後5時
- (入場は午後4時30分まで)
- Admission (tax included)
- 一般210(170)円/満70歳以上100(80)円/高校生140(90)円/小中生90(60)円
- ※( )内は、20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳又は指定難病特定医療費受給者
等をご持参の方および付き添いの方1名は無料
※9月15日、9月17~21日は満70歳以上の方無料
※土曜日は高校生以下無料(ただし夏休みの期間は除く) - Exhibition Website
- https://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp/viewer/info.html?id=204
Events
岡倉天心記念室ガイドツアーのご案内
当館ギャラリースタッフ(展示解説員)により岡倉天心記念室ガイドを行っております。
・場所:岡倉天心記念室
・日時:毎日2回(11:00/14:00 各所要時間約25分)
音声ガイドサービス
文章展示室内専用Wi-Fiに接続して、ご自身のスマートフォンで岡倉天心記念室の音声ガイドを聴くことができます(イヤホン等をご利用ください)。
音声ガイドによる解説を聴きながら天心の生涯に触れてみてはいかがでしょうか。
日本語のほか、英語、中国語、韓国語も準備しています。
Access Information
茨城県天心記念五浦美術館 イバラキケンテンシンキネンイヅラビジュツカン
TENSHIN MEMORIAL MUSEUM OF ART, IBARAKI
- Address
-
〒319-1703
北茨城市大津町椿2083 - Website
- https://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp/
Created Date:2025.9.30