ID:79382
池田蕉園と輝方
─夢みる美人画―
“優しさも、可懐(なつか)しさも、恋も、情けも、活けるが如く”
Venue
山口県立萩美術館・浦上記念館
hagi uragami museum
Period
2025 4.19(土)-6.1(日)
臨時休館やイベントを中止・変更する場合があります。
詳しくは当館ホームページをご覧ください。
Exhibition Outline
池田蕉園と輝方 イケダショウエントテルカタ ─夢みる美人画―
池田(いけだ)(旧姓榊原(さかきばら))蕉園(しょうえん)(1886~1917)は、明治時代末期から大正時代初期に、夢みるように甘美で、はかなげな女性の姿を描いて一世を風靡しました。
蕉園は15歳のときに浮世絵の流れをくむ水野年方(みずのとしかた)(1866~1908)に入門し、同門の池田輝方(いけだてるかた)(1883~1921)といつしか相愛の仲となります。年方が取り持ち婚約しますが、輝方は忽然と姿を消し、その間の煩悶を創作へと昇華させた蕉園は、一気に才能を開花させました。そして約7年の別離を経て結ばれた2人は、文展(文部省美術展覧会)で共に受賞を重ねるなど、おしどり画家として華々しい活躍をみせました。浮世絵に多くを学びながら、近代的な写実性と若々しい感受性によって描かれた2人の女性像は、竹久夢二(たけひさゆめじ)(1884~1934)にも影響を与えるなど、近代美人画の形成に大きく寄与したと言うことができるでしょう。特に蕉園は、上村松園(うえむらしょうえん)(1875~1949)とともに美人画家の双璧として「西の松園、東の蕉園」といわれ、また大阪の島成園(しませいえん)(1892~1970)を加え「三都三園」と並び称されるほどでした。在世中は大変な人気でしたが、蕉園31歳、輝方38歳で早逝したため、忘れられた存在となってしまいます。
本展覧会は、蕉園と輝方の画業を本格的に紹介する初めての企画です。直筆の肉筆画をはじめ、江戸懐古趣味を映し出す木版画、泉鏡花(いずみきょうか)ら文芸界との親しい交わりから生まれた小説の木版口絵(くちえ)や婦人雑誌の挿絵にいたるまで、代表的な作品を一堂にご紹介します。
また近年、再発見された明治44年(1911)第5回文展の出品作『髪』(東京国立博物館所蔵、5月13日~6月1日展示)、大正4年(1915)第9回文展の出品作『かえり路』(東京国立近代美術館所蔵、全期)、大正5年(1916)第10回文展の出品作『こぞのけふ』(久光製薬株式会社所蔵、全期)を揃ってご覧いただくことができる貴重な機会となっております。
浮世絵をはじめ近代絵画の伝統に学びつつ、大きく花開いた近代美人画の魅力をお楽しみください。
- Organizer
- 蕉園と輝方展実行委員会(山口県立萩美術館・浦上記念館、読売新聞社、KRY山口放送)
- Sponsership and Cooperation
- 企画協力 古田あき子氏(美術史家)
- Closing Days
- 4月21日・5月12日・19日・26日(いずれも月曜日、4月28日は開館)
- Admission (tax included)
- 一般1,500円(1,300円) 学生・70歳以上1,300円(1,100円) 18歳以下無料
- ※( )は前売りおよび20名以上の団体料金。
※高等学校、中等教育学校、特別支援学校の生徒は無料。
※障害者手帳等をご持参の方とその介護の方1名は無料。
※前売券は、ローソンチケット(Lコード:63494)、セブンチケットでお求めになれます。
※開催中のコレクション展示もご覧いただけます。 - Exhibit Replacement
- 5月12日(月)に一部作品の展示替えを行います。
Events
[記念講演会]
講師:古田あき子氏(美術史家)
4月19日(土)13:30~15:00
会場:本館講座室・聴講無料
[ギャラリー・ツアー]
学芸員による作品解説
毎週日曜日 11:00~12:00
Access Information
山口県立萩美術館・浦上記念館 ヤマグチケンリツハギビジュツカン・ウラガミキネンカン
hagi uragami museum
- Address
-
〒758-0074
萩市平安古町586-1 - Website
- https://www.hum.pref.yamaguchi.lg.jp/
Created Date:2025.4.15