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ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? Does the Future Sleep Here?
―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ
Revisiting the museum's response to contemporary art after 65 years
飯山由貴│梅津庸一│遠藤麻衣│小沢剛│小田原のどか│坂本夏子│杉戸洋│鷹野隆大│竹村京│田中功起│辰野登恵子│エレナ・トゥタッチコワ│内藤礼│中林忠良│長島有里枝│パープルーム(梅津庸一+安藤裕美+續橋仁子+星川あさこ+わきもとさき)│布施琳太郎│松浦寿夫│ミヤギフトシ│ユアサエボシ│弓指寛治
Venue
国立西洋美術館
THE NATIONAL MUSEUM OF WESTERN ART
Period
2024.3.12[火]ー5.12[日]
Exhibition Outline
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ココハミライノアーティストタチガネムルヘヤトナリエテキタカ? ―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ
Does the Future Sleep Here? Revisiting the museum's response to contemporary art after 65 years
展示室は未来の世界が眠る部屋である。―
未来の世界の歴史家、哲学者、そして芸術家はここに生まれ育ち(、、、、、)―
ここで自己形成し、この世界のために生きる。
―ノヴァーリス
日本に何千人の油畫描きがいながら、その人たちはみんな本物のお手本を見ることもできずに、油畫を一生懸命に描いて展覽會に出している。私はそれが氣の毒なので、ひとつわしがヨーロッパの油畫の本物を集めて、日本に送って見せてやろうと思っている〔……〕。
—松方幸次郎(矢代幸雄による回想)
〔松方コレクションの〕絵がもし返ってきた時、誰が一番これの恩恵を受けるんですかと、それは日本国民全部かもしれんけども直接的には我々美術家じゃありませんか〔……〕。
―安井曾太郎(森弥多丸による証言)
国立西洋美術館―そこは基本的に、遠き異邦の過去の芸術家たちが残した作品群だけが集っている場です。この美術館にはしたがって、いわゆる「現代美術」は存在しません。この展覧会ではしかし、そんな国立西洋美術館へと、こんにちの日本で実験的な活動をしているさまざまなアーティストの作品をはじめて大々的に招き入れます。
そうするのには、理由があります。国立西洋美術館の母体となった松方コレクションを築いた松方幸次郎は、みずからが西洋において蒐集した絵画などが、それらを眼にした芸術家の制作活動に資することを望んでいたといえます。また、戦後に国立西洋美術館の創設に協力した当時の美術家連盟会長、安井曾太郎のような画家も、松方コレクションの「恩恵を受ける」のは誰よりも自分たちアーティストであるとの想いを表明していました。これらの記憶を紐解くなら、国立西洋美術館はじつのところ、未知なる未来を切り拓くアーティストたちに刺戟をもたらすという可能性を託されながらに建ったと考えることができます。けれども、この美術館がじっさいにそうした空間たりえてきたのかどうかは、いまだ問われていません。それゆえ本展では、いまの日本に生きるアーティストが、国立西洋美術館やそのコレクションによって触発されるのかを検証してみたく思います。あるいは、彼ら-彼女らの作品が当館の所蔵する過去の芸術といかに拮抗しうるかを見てゆきます。こうしたことをつうじて、きっといろいろな問題が炙りだされるでしょう。国立西洋美術館にたいして、批判的な応答をしてくれるアーティストもいるはずだからです。「美術館」そのものを問題化することが、本展の企図となります。
「展示室は未来の世界が眠る部屋である」と書き、さらに「未来の世界の〔……〕芸術家は、ここに生まれ育ち(、、、、、)―ここで自己形成し、この世界のために生きる」と記したのは、ドイツの作家ノヴァーリスです。それはヨーロッパに「美術館」と呼ばれる制度が本格的に成立した時期とも重なる、18世紀末のことでした。本展はノヴァーリスのその言葉を受けとめつつ、はたして「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」と問います。これは国立西洋美術館の自問であると同時に、参加アーティストたちへの問いかけです。そして、この展覧会を訪れてくださったみなさんとともに考えたい問いにほかなりません。
- Organizer
- 国立西洋美術館
- Sponsership and Cooperation
- 協賛=NTT ArtTechnology、DNP大日本印刷
協力=西洋美術振興財団 - Closing Days
- 月曜日、5月7日[火]、(ただし、3月25日[月]、4月29日[月・祝]、4月30日[火]、5月6日[月・休]は開館)
- Opening Hours
- 9:30 ~ 17:30
- (金・土曜日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで - Admission (tax included)
- 一般2,000円/大学生1,300円/高校生1,000円
- ・中学生以下、心身に障害のある方及び付添者1名は無料。
入館の際に学生証または年齢の確認できるもの、障害者手帳をご提示ください。
・国立美術館キャンパスメンバーズ加盟校の学生・教職員は、本展を学生1,100円、教職員1,800円でご覧いただけます。学生証または教職員証をご提示のうえ、当館券売窓口にてお求めください。
・観覧当日に限り本展の観覧券で常設展もご覧いただけます。
・詳細は、国立西洋美術館公式サイトをご確認ください。 - Exhibition Website
- https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023revisiting.html
- Exhibition Inquiries
- 050-5541-8600(ハローダイヤル)
Events
いずれも当館講堂にて対面形式で実施の予定。公式サイトにて開催の詳細・申込方法をご案内いたします。
記念講演会(事前申込制)
1|4月20日[土]17:00ー18:30
田中正之(国立西洋美術館長)
「作品と作品をつなぐもの―解釈、応答、変奏」
2|5月11日[土]17:00ー18:30
新藤淳(国立西洋美術館主任研究員・本展企画者)
「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」
スライドトーク(当日先着順)
解説:新藤淳
1|3月15日[金]、2|4月26日[金]各回18:00ー18:40
公開座談会(事前申込制)
出演:梅津庸一×小田原のどか×布施琳太郎×松浦寿夫×新藤淳[司会]
タイトル未定
3月23日[土]17:00ー19:00
Access Information
国立西洋美術館 コクリツセイヨウビジュツカン
THE NATIONAL MUSEUM OF WESTERN ART
- Address
-
〒110-0007
台東区上野公園7-7 - Website
- https://www.nmwa.go.jp/
Created Date:2024.1.24