ID:69179

常設展

中村善策系譜① 運河画家と呼ばれた男 石塚常男

Venue

市立小樽美術館 中村善策記念ホール(市立小樽美術館1階)

Otaru City Museum of Art

Period

令和3年10月1日(金)~令和3年12月26日(日)

Exhibition Outline

常設展 中村善策系譜① 運河画家と呼ばれた男 石塚常男 ナカムラゼンサクケイフ① ウンガガカトヨバレタオトコ イシヅカツネオ

中村善策の風景画は、起伏に富んだ小樽の地形からくみ取ったダイナミックな動きのある構図、華麗な色彩、スケール感に魅力があります。現場制作を信条としたため、キャンバスを戸外に建てて描く姿を、かつては市内の随所で市民が見かけており、明るく伸びやかな風景画は、この地域の人々に誇りと喜びを与えました。
小樽は、風景画の題材に恵まれた環境から、多くの風景画家を輩出しています。後輩の多くは、中村善策の後を追うように一水会展、日展へと出品を重ねていきました。後輩画家たちは、二科展時代から「中善」と敬愛を込めて呼び、彼の言動はすぐに地元に伝わり、その画論に花を咲かせました。それだけ、善策の絵はさまざまな絵画の潮流のなかにあっても確固たる表現形式を示し、故郷の後輩画家たちに強い羨望を招きました。
善策に直接教えを受けた最後の世代には、石塚常男、冨澤謙、小川清が挙げられます。彼らは、地元に留まり小樽を拠点にし、まず道展を足掛かりにしながら、日展、一水会展などへ出品しました。
なかでも石塚常男は、「最も小樽らしいものを」と思い、小樽運河に着目、小樽のシンボルとして運河を連作し日展にも出品、「運河画家」と呼ばれました。その作品は、高い位置から見下ろした運河と、水面に移った建物や船の影を巧みに構成し、爽やかな色彩のハーモニーを感じさせます。 原色は使用せず、青緑系の中間色を中心に穏やかな風景を表現するところは、中村善策との大きな違いです。石塚は、中村善策から、緑系統の色使いに指導があり、デフォルメと省略についても多くを学ぶことがあったと記しています。リズミカルなタッチが生き生きとキャンバスに置かれ、遠景から近景に至る間に、すがすがしい空気を感じることができます。
本展は運河画家と呼ばれた石塚常男の作品を、先輩画家である中村善策とともに展覧いたします。

Exhibition Website
https://www.city.otaru.lg.jp/docs/2021092900076/

Access Information

市立小樽美術館 シリツオタルビジュツカン

Otaru City Museum of Art

Address
〒047-0031
小樽市色内1-9-5
Website
https://www.city.otaru.lg.jp/categories/bunya/shisetsu/bunka_kanko/bijyutsukan/
Updated Date:2021.11.24
Created Date:2021.11.24