ID:68742
棟方志功と東北の民藝
Venue
日本民藝館
Mingeikan/The Japan Folk Crafts Museum
Period
2021年10月1日(金)ー11月23日(火・祝)
Exhibition Outline
棟方志功と東北の民藝 ムナカタシコウトトウホクノミンゲイ
厳しくも豊かな自然環境を持つ東北の地。ここは昔から変わらぬ民藝の宝庫であり、日本の手仕事を考える上では実に大切な場所であります。柳宗悦(1889-1961)は1920年代後半から40年代の初めにかけて精力的に東北各地を巡り、民藝品の調査と蒐集を実施しました。そして、東北の手仕事文化の豊かさに感嘆し、日本民藝館において東北の民藝を紹介する展覧会を度々開催していったのです。本展では、柳らが東北各地で収集した民窯の陶器、蓑・けら・背中当などの編組品、こぎん・菱刺し・被衣(かつぎ)などの染織品、樺細工や漆工品などを展示し、東北が豊かな文化的創造力を育む地であることを改めて紹介したいと思います。
さて、青森に生まれた版画家の棟方志功(1903-1975)は、東北の豊かな自然風土から美の滋養を汲み取り、生命感にあふれる作品の数々を世に送りました。なかでも東北への思いが込められた作品といえば、「東北経鬼門譜」(1937年)が挙げられます。これは版木120枚を使い制作されたもので、6曲1双の屏風を広げると、実にその長さは10メートルにもなる戦前期最大の版画作品です。棟方はこの作品に、東北という日本の「鬼門」にあたる貧寒の故郷を想い、仏の力を借りてこの地を幸あらしめたいとの切なる願いを込めたのです。また、郷里青森への想いを込めた作品に「善知鳥版画巻」(1938年)があります。これは謡曲「善知鳥」を題材にしたもので、愛情深い善知鳥という海鳥の親子の別離の悲しさや、生活のための殺生とはいえ、その罪の報いで亡者となった猟師の苦しみを、故郷への思いと重ね合わせながら板に彫り込んでいったのでした。
棟方にとっては、これらの作品そのものが東北への「祈り」でもありました。東日本大震災から十年。未だその災禍が癒えない東北の地に、棟方が作品に託した鎮魂への祈りと再生への想いが届くよう、心から願ってやみません。
- Closing Days
- □月曜休館(祝日の場合は開館し、翌日休館)
- Opening Hours
- 10:00 ~ 17:00
- (入館は16:30まで)
- Admission (tax included)
- □一般1,200円 大高生700円 中小生200円
- Exhibition Website
- https://mingeikan.or.jp/exhibition/special/?lang=ja
Access Information
日本民藝館 ニホンミンゲイカン
Mingeikan/The Japan Folk Crafts Museum
- Address
-
〒153-0041
目黒区駒場4-3-33 - Website
- https://www.mingeikan.or.jp/
Created Date:2021.10.6