ID:58998

丸山 富之 新作展《石切り場》 Tomiyuki Maruyama Recent Works "Quarry"

Venue

ヒノギャラリー

hino gallery

Period

2018年9月8日 ー 2018年9月29日

Exhibition Outline

丸山 富之 新作展《石切り場》 マルヤマトミユキ シンサクテン《イシキリバ》

Tomiyuki Maruyama Recent Works "Quarry"

ヒノギャラリーでは2018年9月8日(土)より「丸山富之 新作展《石切り場》」を開催いたします。

1984年東京藝術大学彫刻科を卒業、86年同大学院美術研究科彫刻専攻を修了した丸山富之は、30年以上石を素材に制作を続ける彫刻家です。ヒノギャラリーで発表を始める90年代後半には、数ある石材の中でも砂岩、特に長崎県諫早市で採れる硬質砂岩の一種、諫早石を主として用い、現在までにミニマルで始原的な石彫作品を数多く発表してきました。約2年ぶりとなる今回の個展でも、この諫早石を含む砂岩を素材とした新作に挑みます。

丸山作品の特徴といえば、この素材がもたらす温もりや素朴さもさることながら、シンプルながらも精緻で印象的なそのかたちを挙げずには語れません。代表的なものとして、大きく空間を抱え込むようなL字型のフォルム、そして、作品の一部をひょっこりと突出させた控えめなユーモア漂うフォルムは、丸山がこれまでつくり上げてきたものの中でも象徴的なかたちといえるでしょう。それらは作家の言葉を借りれば、「山から石を切り出すように」「石のかたまりをもとに、地平から空への働きかけ」によって創出された形象ともいえるかもしれません。しかし、今回発表する新作は、その働きかけを少しだけ地下へと移してみたといいます。丸山は本展タイトルにも付けた《石切り場》の、かつて山であった採石場が今ではその多くが地下に掘り下げられているという現状を踏まえ、自身の制作においても石に向ける意識の転換を試みました。しかし、そのベクトルが変化したとはいえ、丸山の石に対する働きかけはある種一貫しています。これまで向けてきた地平から空への意識、そして今回向けられた地下への意識、それらはともにそこに空間があるという認識がなければ得られない感覚であり、その空間をつくり出すことこそが、丸山の制作の本質になっているように思います。彫ることによってうみ出される空間、結果として残った印象的なかたちは、その空間を知覚させる媒体となっているのです。

今回の新作展、是非そのかたちに注目しつつ、彫り出された空間も意識しながらご鑑賞いただければ幸いです。

Exhibition Website
http://www.hinogallery.com/2018/1901/

Access Information

ヒノギャラリー ヒノギャラリー

hino gallery

Address
〒104-0042
中央区入船2-4-3マスダビル1F
Website
http://www.hinogallery.com/
Updated Date:2018.9.25
Created Date:2018.9.25