ID:4095
折元立身 グラフィック・アート+オブジェ
TATSUMI ORIMOTO GRAPHIC ARTS + OBJETS
Venue
川崎市市民ミュージアム
Kawasaki City Museum
Period
June 8 (Sat), 2002 ~ September 1 (Sun), 2002
Exhibition Outline
折元立身 グラフィック・アート+オブジェ オリモトタツミ グラフィック・アート オブジェ TATSUMI ORIMOTO GRAPHIC ARTS + OBJETS
頭に数個のパンをくくりつけた姿で世界中の街に現れる「パン人間」や、母親の首に自動車のタイヤをかけたり、ダンボール製の大きな靴をはかせたりする「アートママ」といったパフォーマンスによって、国際的に注目を集めているアーティスト、折元立身。昨年開催された横浜トリエンナーレでの、写真とパンなどを組み合わせたインスタレーション展示が印象に残っている人も多いことでしょう。
現代美術におけるパフォーマンスとは、何らかの身体的活動による表現のことですが、折元は「コミュニケーション」をテーマに1970年代からパフォーマンスを続けています。日常生活に突然闖入してきた異様な「パン人間」を前に、人々は様々な反応を見せます。「パン人間」は私たちに、「他者をどう受け入れるか」「他者を理解することは可能か」「他者を前にした自分は何者か」といった自他の関係の諸問題を突きつけます。また「アートママ」シリーズは、軽い痴呆をかかえ、薬の副作用で耳の遠くなった母親、しかも現代美術とは無縁の生活を送ってきた母親といかにコミュニケーションをとるか、という折元の日常生活がそのまま作品になっています。
こうしたパフォーマンスは1回限りのもので、ごく限られた人しか立ち会うことができません。そのため記録が重要になりますが、折元も写真や映像で行為を記録しています。さらに彼はそうした写真をもとに、日付や場所のデータを入れたポスターやハガキを作り、多くの人に送ることで自らのパフォーマンスを完成させています。つまり折元の作品は、実際の行為であるパフォーマンスと、その記録である写真、映像、ポスター、ハガキ、関連するオブジェ(物)などが総合されたところに成立するわけです。
今回の展覧会では、折元の活動の中でこのように重要な意味を与えられながら、これまで紹介されることの少なかったポスターとハガキを中心に、映像や初期のオブジェを合わせて展示します。1970年代末からの折元の活動が、印刷物を通してよみがえる本展覧会は、川崎に生まれた異才、折元立身の足跡と現在を紹介する貴重な機会になるとともに、印刷とアートとの関わりを考えてきた市民ミュージアムにとっても、新しい視点を与えられる有意義な機会になるでしょう。
- Organizer
- 川崎市市民ミュージアム
- Closing Days
- 月曜日
- Admission (tax included)
- 一般 500円
学生 300円
65歳以上・中学生以下無料 - Exhibition Website
- http://www.kawasaki-museum.jp/
- Exhibition Inquiries
- 044-754-4500
Access Information
川崎市市民ミュージアム カワサキシシミンミュージアム
Kawasaki City Museum
- Address
-
〒211-0052
川崎市中原区等々力1-2 - Website
- https://www.kawasaki-museum.jp/
Created Date:1999.3.31