ID:36649

須田国太郎展 SUDA KUNITARO

没後50年に顧みる

Looking Back 50 Years After His Death

Venue

京都市美術館

KYOTO MUNICIPAL MUSEUM OF ART

Period

2012 12/1[土]▶2013 2/3[日]

Exhibition Outline

須田国太郎展 スダクニタロウテン 没後50年に顧みる

SUDA KUNITARO Looking Back 50 Years After His Death

没後50年の須田国太郎の意味
虫籠窓や格子窓の暗から外界を観る京の町家で育った須川国太郎は、大正8年スペインの地で「近代」とは異なる「前近代」と向かい合った。テンペラの下塗りの上に油彩を重層化するヴェネツィア派の色彩表現と、ティントレットやエル・グレコを経て、色彩を混和させるバロック的明暗法の相反する二つの「前近代」の表現を、不統一に表出した。画面の中で存在する事物と蔭は、等価性を保つ事で、画面の中での距離は意味性を失い、蔭と景物は主役を相互交換する。須田国太郎の蔭は、物体がもたらす形態としての影ではない。形態認識の影ではなく、物と物が互いに映し出す蔭映である。須田国太郎の光は、単に物体に色彩を与えるだけのものではなく、暗闇に劇的世界を語るものとなる。その倒置した混沌のなかで「前近代」は物の怪のごとく幻想的に私たちに立ちはだかる。この時須田国太郎の絵画が俗に言われる「バロック的パトス」を示す瞬間となる。須田国太郎の絵画は難しいといわれてきた。「モダニズム絵画」と「前衛主義」の時代には、須田国太郎の絵画がそれらとは目的を異にしていたからである。しかし「モダニズム絵画」も「前衛主義」も、今日足を止めて久しい。今日卑俗の中で引用遊びをしている美術をみると、須田国太郎の絵は、没後50年後の、若い絵描きたちのために描かれたのではないだろうかとも思えてしまう。「近代」と「前近代」、「西洋」と「日本」の不在に身を置いた須川国太郎の絵画が、現代ほど意味を問う時はないであろう。
本展覧会ではこうした須田国太郎の作品が一堂に揃うものである。半世紀先からの須田国太郎のメッセージが、見えてくるのではないだろうか。

Organizer
京都市美術館、MBS、日本経済新聞社、京都新聞社
Sponsership and Cooperation
◎特別協力:京都国立近代美術館 ◎協賛:京都中央信用金庫
Closing Days
月曜日(12月24日・1月14日は開館)、12月28日~1月2日
Opening Hours
午前9時 ~ 午後5時
入場は午後4時30分まで
Admission (tax included)
一般 1000円(900円) 高大生 800円(700円) 小中生 500円(400円)
※( )内は前売り、20人以上の団体料金
※お得な前売り券は11月30日(金)までの期間限定発売
Exhibition Website
http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/exhibition/suda.html

Events

会場におけるギャラリートーク
会期中各日曜日 15:30~16:30 (ただし12月9日をのぞく)
当館学芸課長 尾﨑眞人

●講演会 いずれも土曜日 14:00~15:30
12月1日(土) 原田 平作(大阪大学名誉教授)
「須田国太郎の作風について」
12月8日(土) 山野英嗣(京都国立近代美術館 学芸課長)
「須田国太郎の描き方」
1月26日(土) 尾﨑眞人(当館 学芸課長)
「京都独立美術と須田国太郎」
2月2日(土) 尾﨑眞人(当館 学芸課長)
「スペインで出あったもの」

●ワークショップ
「親子で冬に花を咲かせよう―草花繁る冬の美術館」
日時:12月24日(振休) 13:00~16:00
講師:尾﨑眞人(当館 学芸課長)
内容:須田国太郎展を観て想像したオリジナルな花を創り、美術館の冬の庭に咲かせます。その後、鑑賞会ツアーをします。
対象:小学生の親子20組
参加費:無料
応募方法:はがきまたはFaxに名前、学校名、学年、連絡先電話番号を記載し美術館宛にお送りください。12月10日消印有効(参加者多数の場合は抽選、美術館より連絡)

Access Information

京都市美術館 キョウトシビジュツカン

KYOTO MUNICIPAL MUSEUM OF ART

Address
〒606-8344
京都市左京区岡崎円勝寺町124
Website
http://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/kmma/
Updated Date:2012.12.5
Created Date:2012.11.28