ID:23012
開館20周年記念特別展 からくさ―中島誠之助コレクション―
Venue
戸栗美術館
TOGURI MUSEUM OF ART
Period
October 2 (Tue), 2007 ~ December 24 (Mon), 2007
Exhibition Outline
開館20周年記念特別展 からくさ―中島誠之助コレクション― カラクサナカジマセイノスケコレクション
多様な唐草文様
縦横無尽に駆けめぐる渦巻きで器面を覆い尽くすたこ唐草や、細い線で描かれた可憐な花を散りばめた花唐草、細かい曲線に簡略化したみじん唐草。連続文様の定番ともいえる「唐草文様」ですが、このように様々な描き方があります。染付で描かれた唐草文様は純白の器面に鮮やかに映え、爽やかな印象を与えます。
それまでやきものの装飾といえば、色釉を掛けたり文様を彫ったりするものでしたが、近世に入ると筆で素地に直接文様を描くことが可能になりました。江戸時代初期に生れた日本で最初の磁器である伊万里焼では染付という技法を用いて文様が描かれましたが、その中で唐草文様は、器の裏側に描かれたり主文様の周りを囲んだりと脇役として用いられていました。しかし江戸時代中期から後期になると、唐草の占める面積が広くなりまた描き方にも変化は見られ、やがて一面に細密な唐草文様が書き込まれるほどにまで成長を遂げます。
人々の生活と伊万里焼
伊万里焼の輸出量が低下し、消滅していった18世紀中頃は、伊万里焼にとって大きな転換期であるといえます。それまで伊万里焼は日本の富裕層や海外向けの高級品を生産していましたが、この出来事を境にして国内向けへと切り替わっていきます。18世紀後半になり伊万里焼の量産体制が整うと、都市部の庶民の暮らしにも浸透していきます。また生活水準の向上や食文化の変化に伴い、鉢や急須、向付など日常食器類や化粧道具や文具など道具類、調度品や装飾品など幅広い種類の器形がみられるようになり、文様も染付をメインとしたシンプルで普段使いに適したものが描かれるようになりました。当時の風俗をあらわした浮世絵に伊万里焼と思われる染付磁器は描かれていることからも、伊万里焼が庶民の憧れの器として知られていた様子をうかがうことができます。
中島誠之助氏愛蔵の作品
今回の展示では、テレビ番組『開運!なんでも鑑定団』でおなじみの中島誠之助氏が蒐集された、江戸時代中期から後期の伊万里焼を特別展示いたします。庶民に親しまれ使われてきた、たこ唐草、花唐草など代表的な唐草文様の作品のほか、唐草以外の文様が描かれた染付の磁器も数多くご紹介致します。器形も小鉢や向付・蕎麦猪口から大皿など変化に富んだ、幅広い内容となっております。中島氏愛蔵の、一つひとつに愛情の込められた、凛としたからくさのコレクションを・・・
- Closing Days
- 月曜日(祝日の場合開館、翌日休館)
- Admission (tax included)
- 一般1000 (800)円 高大生700(500)円 小中生400(200)円
( )内は20名以上の団体料金 - Exhibition Website
- http://www.toguri-museum.org/
- Exhibition Inquiries
- tel . 03-3465-0070 fax . 03-3467-9813
Access Information
戸栗美術館 トグリビジュツカン
TOGURI MUSEUM OF ART
- Address
-
〒150-0046
渋谷区松涛1-11-3 - Website
- http://www.toguri-museum.or.jp/
Created Date:1999.3.31