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儚くも美しき祝祭 パウラ・モーダーゾーン=ベッカー

時代に先駆けた女性画家

会場

神奈川県立近代美術館 葉山

The Museum of Modern Art, Hayama

会期

2006年1月7日(土) ~ 2006年3月26日(日)

展覧会概要

儚くも美しき祝祭 パウラ・モーダーゾーン=ベッカー ハカナクモウツクシキシュクサイ パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 時代に先駆けた女性画家

19世紀末から20世紀初頭にかけて短い生涯を生きたドイツの女性画家パウラ・モーダーゾーン=ベッカー(1876-1907)の日本初の本格的な回顧展を開催いたします。
モーダーゾーン=ベッカーは、ドレスデンに生まれ、ロンドンとベルリンで絵画を学びました。その後、北ドイツのブレーメンの北東20キロに位置する小村ヴォルプスヴェーデに形成されていた芸術家たちのコロニーへと移住し、そこで制作を行ったことから、いわゆるこのヴォルプスヴェーデ芸術家村を代表する画家の一人として知られています。
当時ヨーロッパ各地に生まれた芸術家村は、19世紀の急速な技術革新や都市化に疲弊した近代人にとって、ふたたび根源的な生の営みを求めて自然へと回帰し、創造を鼓舞する生活と芸術との融合をめざす、そのようなユートピア的思想を背景とする共同体的な場でした。泥炭地の掘削によって貧しいながらも素朴な人間性を失わずに生きる人々が暮らし、手付かずの自然の残る北方の地ヴォルプスヴェーデは、まさにそのような場として画家フリッツ・マッケンゼン(1866-1953)、ハンス・アム・エンデ(1846-1918)、オットー・モーダーゾーン(1865-1943)らによって発見されます。彼らの移住を機に、まもなく画家フリッツ・オーヴァーベック(1869-1909)、ハインリヒ・フォーゲラー(1872-1942)、詩人ライナー・マリア・リルケ(1875-1926)などさまざまな芸術家や詩人らもこの地を訪れ、ヴォルプスヴェーデは近代ドイツにおける最も重要な芸術家村の一つとなります。
21歳ではじめてこの芸術家村を訪れたモーダーゾーン=ベッカーは、マッケンゼンに絵画の指導を受け、彼らと親しく交友し、身近な自然やそこに暮らす素朴な人々を数多く描いています。そしてまもなくヴォルプスヴェーデの自然から、それとは対極の大都市パリへとさらなる一歩を踏み出し、新しい芸術の息吹を吸収し、独自の画風を探求したモーダーゾーン=ベッカーの芸術は、ドイツ近代美術史においても稀有な光彩を放っています。
本展覧会は、そうした彼女の画業の全貌を、画家ゆかりのコレクションの協力を得て紹介するものです。生涯を辿って画業を跡づけるとともに、ヴォルプスヴェーデの風土、ならびにそこでの芸術家たちの交友についても関連作家の作品によって見てまいります。

主催者
神奈川県近代美術館 読売新聞東京本社 美術館連絡協議会 東京ドイツ文化センター
休催日
月曜日[ただし1月9日(月)は開館]、祝日の翌日[1月10日(火)、3月22日(水)]
観覧料
一般1,200(1,100)円 20歳未満と学生1,050(950)円 65歳以上500円 ( )内は20名以上の団体料金です。
高校生以下と障害者の方は無料です。
展覧会ホームページ
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/
展覧会問合わせ先
電話:046-875-2800(代表)

会場情報

神奈川県立近代美術館 葉山 カナガワケンリツキンダイビジュツカン ハヤマ

The Museum of Modern Art, Hayama

会場住所
〒240-0111
三浦郡葉山町一色2208-1
ホームページ
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/
更新日:2011年3月2日
登録日:2005年4月6日