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9・11から四半世紀 石川 九楊 展 KYUYOH ISHIKAWA
-人類の未熟について-
会場
株式会社名古屋画廊
NAGOYA GALLERY, Co., Ltd
会期
9月11日[金]-10月13日[土]'26
展覧会概要
9・11から四半世紀 石川 九楊 展 9・11カラシハンセイキ イシカワ キュウヨウ テン -人類の未熟について-
KYUYOH ISHIKAWA
■石川九楊の『悪筆論』(二〇二三年)は河東碧梧桐論に匹敵する(私にとっての)石川の快著だったが、その末尾に石川は「書は文学である」と書き、続けてリフレインのように「それは西欧の音楽に相当する表現である」と書いた。
西欧で徐々に形を成した管弦楽団(オーケストラ)では、さまざまな出自の楽器が集まり、作曲家の譜を同じ場、時間(とき)にはなつ。その精華である「交響曲」は十八世紀以降、多くの音楽家によって歴史を刻んできた。
二年前、上野の森美術館での石川の大回顧展で影色の紙に海鳴りのような言葉をとどろかせた若き日の書に目を沈めた。「古典への退却」と自身が呼んだ時期の歎異抄、徒然草、源氏物語を書いた作品群を見た。過去という夜空への旅で心ひかれる星々=文学に目をすまし、呼吸し、「筆蝕」する人がいた。
二〇〇〇年代に始まった自身の言葉による作品は、石川の新たな海鳴りの胎動である。それらが名古屋画廊で展示される。
若き日の書の、チューバとティンパニィの遠い残響とともに、「退却」の時間において肉化されてきたさまざまな音が見える。筆を追い、また離れてみると、打、怒、歌、叱、痛となってそれらが見(きこ)える。
『悪筆論』では、最大級の賛辞とともに谷川雁の書(言葉)を語りながら「国家という現代の虚構を止揚することができるまでは、人民は不自由と拘束、鎖につながれた生活を脱することはできない。今のところ国家と衝突することなしに、自由な生活もありえない」と書いた石川の書の、文学の、人生の主題(テーマ)は二十代の書論「断章」の時代といささかも変わっていない。むしろより重くなってきた。
金管や打楽器に木管楽器やハープ、チェレスタの音が加わり、ユーモアや諧謔の片鱗さえもにじませる二〇〇〇年代の書は、全体が管弦楽の厚みと深さと繊細なささやきで、私たちの時代への猛烈な違和感、フラストレーションを奏でる。国家によっておこなわれる戦争で人が殺されること、文化の深い紐帯を忘れ、近隣の人々を憎悪(ヘイト)することの滑稽を歌う。歌う? そう、書くことは、いつも愉であり、歌うことだった。
祖国ポーランドをナチスに追われ、亡命したロシア(ソ連)で作曲をはじめ、スターリンの時代を生きのび、後に家族の収容所での死を知ったヴァインベルクは、歌劇、協奏曲、映画音楽など膨大な音楽を残した。すさまじい不協音を歌い、奏であげるその後期の交響曲と同じように、石川のこれらの書にも苦と愉とが融けている。
大倉 宏(美術評論家、砂丘館館長)
■二〇〇一年九月一一日ニューヨーク、世界が言葉を失ったあの日から二五年がたちます。日本を代表する書家・石川九楊先生は、この出来事を契機として自作の詩文を題材とする新しい書の表現領域を切り拓かれ、その独創的な作品は今では東アジア生れの現代美術として世界的な注目を集めています。今戦争の時代"にあって、九・一一をテーマとする記念碑的な作八点を中心に展覧できる貴重な機会を得ることとなりました。講演会と併せて皆様のご来駕を心よりお待ち申し上げます。
名古屋画廊 中山 真一
■石川九楊略歴:一九四五年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代より最先端の書を制作しつづける。その数二千点超。また「書・文字・言葉」への思索と解明を深める。著書は百冊超。一般財団法人文字文明研究所理事長として、制作・研究・教育の普及に努める。著書に『石川九楊全作品集(三冊)』、『石川九楊著作集(全十二巻)』他。サントリー学芸賞、毎日出版文化賞、大佛次郎賞他受賞。"
- 休催日
- 日・祝休廊
- 開催時間
- 11:00a.m. ~ 6:00p.m.
- (土曜日 12:00p.m.-5:00p.m.)
- 展覧会ホームページ
- https://www.nagoyagallery.co.jp/publics/index/23/detail=1/b_id=88/r_id=1372#block88-1372
イベント情報
石川九楊講演会
「9.11から四半世紀-人類の未熟について-」
入場料:無料
会場:名古屋市美術館2階講堂
日時:9月11日(金)午後1時30分~午後3時(開場午後1時)
主催:名古屋画廊
※事前予約制(先着180名):申し込みメールアドレス nagoya@nagoyagallery.co.jp
会場情報
株式会社名古屋画廊 カブシキガイシャナゴヤガロウ
NAGOYA GALLERY, Co., Ltd
- 会場住所
-
〒460-0008
名古屋市中区栄1-12-10 - ホームページ
- https://www.nagoyagallery.co.jp/
登録日:2026年8月25日