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第44回土門拳賞受賞作品展 小柴一良
KAZUYOSHI KOSHIBA
水俣物語 MINAMATA STORY 1971-2024
会場
土門拳写真美術館
Ken Domon Museum of Photography
会期
2025年10月31日(金)-2026年1月25日(日)
展覧会概要
第44回土門拳賞受賞作品展 小柴一良 水俣物語 ミナマタモノガタリ
KAZUYOSHI KOSHIBA MINAMATA STORY 1971-2024
受賞のことば 写真家・小柴一良
今から50年ほど前、私は土門先生を背中におぶって室生寺・鎧(よろい)坂を上っていた。2度の病で倒れ、車いすに頼りながらも奈良・京都の撮影を続けておられた。撮影には十数人のスタッフが集められた。私たち孫弟子はカメラ回りではなく、車の運転、車いすの介助などの肉体労働要員だった。独特の「土門流言葉遣い」や撮影方法は 興味深いものだった。
当時写真家を目指す私たち団塊の世代は、「ベトナム戦争」「水俣」は避けて通れないモチーフだった。大阪でのスタジオ助手を辞め、写真家として独立した。両親をはじめ、友人、知人には反対されたが、1974年に水俣に向かった。住まいも現地に移し、撮影を続けた。しかし、数年たつうちに、段々と撮れなくなった。前年の熊本裁判の後で、「もうそっとしておいてほしい……」という水俣の人たちの声が胸に響き、悩んだ。
6年間「水俣病事件」の現場に身を置きながら、納得できる写真は撮れなかった。写真を発表することなく、現地を離れた。
2006年、写真家の桑原史成氏から水俣をテーマにした現地での写真展への参加を求められた。当初は断っていたが、自分の写真でよかったらと思い直し、出展を決めた。
28年ぶりに会った水俣の人たちは、私のことを忘れずにいた。時が経過し、人も街も変わっていた。「今の水俣を撮りたい」。撮影を再開した。
土門拳賞を頂いたことによってこれまで迷惑をかけた人たち、被写体になってくれた方々に少しは恩返しできたかもしれないと思う。
第44回土門拳賞(毎日新聞社主催)を受賞した小柴一良氏の写真集『水俣物語 MINAMATA STORY 1971-2024』は、半世紀以上にわたり胎児性・小児性患者らの自宅や病院での日々を撮影し、その生き様を捉えたモノクローム作品です。その中には時代とともに変遷する熊本県水俣市、鹿児島県出水市などの情景も収められました。公害問題を記録し続け、社会に示した作者の意志が高く評価され、今回の受賞に至りました。
- 休催日
- 12月-1月は月曜休館 ※1月12日(月・祝)は開館、翌1月13日(火)休館
年末年始休館 12月29日(月)-1月3日(土) - 開催時間
- 9:00 ~ 17:00
- ※入館は16:30まで
- 観覧料
- 一般900円/高校生450円/中学生以下無料
- 展覧会ホームページ
- http://www.domonken-kinenkan.jp/exhibitioin/20251027002.html
イベント情報
第44回土門拳賞受賞者
小柴一良氏による講演会
2025年11月1日(土)
14時~/要予約・要入館料
同時開催/企画展「縄文⇔現代⇔土門拳」
会場情報
土門拳写真美術館 ドモンケンシャシンビジュツカン
Ken Domon Museum of Photography
- 会場住所
-
〒998-0055
酒田市飯森山2-13 (飯森山公園内) - ホームページ
- http://www.domonken-kinenkan.jp/
登録日:2025年11月11日