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宮本隆司 「本気にすることができない渋谷」 Ryuji Miyamoto “Unreal Shibuya”

会場

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム

Taka Ishii Gallery Photography / Film

会期

2025年11月1日(土)-12月6日(土)

展覧会概要

宮本隆司 「本気にすることができない渋谷」 ミヤモトリュウジ「ホンキニスルコトガデキナイシブヤ」

Ryuji Miyamoto “Unreal Shibuya”

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムは11月1日(土)から12月6日(土)まで、宮本隆司の個展「本気にすることができない渋谷」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーで3度目の個展となる本展では、大規模な再開発が進む東京・渋谷の都市空間を捉えた最新作のシリーズより約30点を展示いたします。

渋谷川と宇田川が合流する谷底に位置する渋谷は、近年の再開発によりその機能と景観を一新しています。複数の路線が乗り入れる渋谷駅の改修を起点に渋谷スクランブルスクエアや渋谷ヒカリエなどの高層ビル群が開業し、オフィスや商業施設、文化施設が駅周辺に集積するとともに、新たに広場や公園も整備され、公共空間を充実させています。さらにはクリエイティブ産業の歴史的な中心地としてアートやファッションなどの拠点も増加し、若者文化の国際的な発信地として国内外から多くの人々が訪れています。

わたしには、いまの渋谷を表すことばが見つからない。そこで、このとらえどころのない渋谷を〈本気にすることが出来ない都会〉ということばにつなげてみた。スクランブル交差点を囲む建物から発する大音響と広告画像の氾濫。押しよせ流れくる群衆を刺激し現実離れした様相を露呈しつづける、本気にすることができない渋谷。渋谷の都市改造は、未知なる新たな都市の生成を実現するのだろうか。
宮本隆司
『本気にすることができない渋谷』インスクリプト、2025年、p.117

これまで建築空間を被写体に変貌する都市の姿を独自の視点で写真に記録している宮本は、変わりゆく渋谷の様相を 2020年から25年にかけて写真に収めてきました。本シリーズでは、コンクリート躯体や鉄骨など改修工事が進められるなかで剥き出しとなった構造体をシャープに捉えた作品と、渋谷の街中を往来する多様な人々のポートレートを写したスナップ写真が対を成すように構成されています。それらは、日々破壊されては新たに組み上げられる都市の構成物質、あるいはそれぞれの目的をもって溢れるように集い離散していく無数の通行者であり、かつてない規模と速度で絶え間なく動き続け流転する、現在の渋谷のありようが写し出されています。シリーズおよび展覧会のタイトルにある「本気にすることができない」という表現は、T・S・エリオットの代表作として知られる長編詩『荒地』に登場する一句「Unreal City」を吉田健一が「本気にすることができない都会」と翻訳したことに由来します。群衆や大型広告、工事現場といった喧騒がもたらす「本気にすることができない」現実の渋谷は、宮本の写真において時が止められ、静止したイメージとして固定化しています。それは現実の渋谷を実体験するのとは異なる次元を生み出し、新たな形で「real」と「unreal」の狭間で揺れ動きます。

展覧会ホームページ
https://www.takaishiigallery.com/jp/archives/35576/

イベント情報

オープニング・レセプション: 11月1日(土)18:00-20:00

会場情報

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム

Taka Ishii Gallery Photography / Film

会場住所
〒106-0032
港区六本木5-17-1 AXISビル 2F
ホームページ
https://www.takaishiigallery.com/
更新日:2025年10月16日
登録日:2025年10月14日