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おさんぽ展 Oh, a Walk!

空也上人から谷口ジローまで

Art Inspired by Walking, From Kuya to Taniguchi Jiro

会場

滋賀県立美術館 展示室3

Shiga Museum of Art

会期

2025.9.20(土SAT)-11.16(日SUN)

[前期]9.20(土)-10.19(日) [後期]10.21(水)-11.16(日)

展覧会概要

おさんぽ展 オサンポテン 空也上人から谷口ジローまで

Oh, a Walk! Art Inspired by Walking, From Kuya to Taniguchi Jiro

おさんぽが与えてくれる、豊かな時間。
日本で「散歩」という語が初めて使われたのは、鎌倉時代から南北朝時代の禅僧、虎関師錬(こかんしれん)の漢詩文集『濟北集(さいほくしゅう)』だと考えられています。「梅花」「春遊」と題した漢詩で、虎関師錬は、野辺をそぞろ歩きつつ春の訪れを感じる喜びを謳っています。伝馬(ば)遠(えん)《高士探梅図(こうしたんばいず)》(前期展示)に月夜に梅を探して歩く様子が、浦上玉堂(うらかみぎょくどう)《幽渓散歩図(ゆうけいさんぽず)》(後期展示)に山河の中を歩む様子が描かれるように、虎関師錬が謳ったそぞろ歩きは、絵画の中にも表されてきました。
明治時代以降、西洋に学んだ画家たちもまた、散歩を様々な方法でモチーフとしました。菊池契月(きくちけいげつ)《散策》(前期展示)が描くのは、新緑の森の中を2匹の犬を連れて歩く少女の姿。金島桂華(かなしまけいか)の《画室(がしつ)の客》(後期展示)は、女性が犬の散歩の途中で画家を訪ねたひとときを表そうとした意欲作です。また、いつもの散歩の中でふと立ち止まったり、風景が違って見えたりする一瞬をとらえる作品も生まれました。小倉遊亀(おぐらゆき)は《春日(はるひ)》で、散歩の途中に知り合いと話し込んでしまう穏やかな光景を、漫画家谷口ジローは《歩くひと》で、自らが長年暮らした場所の風景を細やかに描いています。
一方、散歩に類する行為をたどると、そこここを歩くことでは散歩と似ていながら、散歩とは異なる歩行の歴史を見出すこともできます。虎関師錬より前の時代には、空也(くうや)、一遍(いっぺん)、一向俊聖(いっこうしゅんじょう)といった僧侶が、人々の救済を祈って諸国を巡り、その姿はたとえば《空也上人立像(くうやしょうにんりゅうぞう)》のような肖像として表されました。また西行(さいぎょう)は、武士の身分を捨てて僧侶となり諸国を行脚(あんぎゃ)して、その感興を多くの和歌に残しています(《西行物語絵詞(さいぎょうものがたりえことば)》。与謝蕪村(よさぶそん)《松尾芭蕉経行像(まつおばしょうきんひんぞう)》に描かれるのは、経行(きんひん)という、ただ歩くことに専念し一歩一歩をゆっくりと踏みしめ身心を整える、禅の修行の姿です。
「おさんぽ展」では、散歩や歩くことをめぐって生まれた、重要文化財2件を含む約70作品を、一部展示替えをしながらご紹介します。滋賀県立美術館は公園の中にあります。秋色深まりゆく季節、「アートさんぽ」にぜひおこしくださいませ。

主催者
滋賀県立美術館、京都新聞
協賛・協力等
[後援]エフエム京都 [企画]小井川理(滋賀県立美術館)
休催日
月曜日[ただし10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)は開館し、10月14日(火)、11月4日(火)は休館]
開催時間
9:30 ~ 17:00
(入場は16:30まで)
観覧料
一般 1,200円(1,000円)、高大生 800円(600円)、小中生 600円(450円)
※同時開催中の常設展もご覧いただけます ※( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳をお持ちの方とその介助者の方は無料
展示替え情報
会期中一部展示替えがあります。
展覧会ホームページ
https://www.shigamuseum.jp/exhibitions/9892/

イベント情報

※イベントの申込方法など、最新情報は当館ホームページをご確認ください。
※展覧会会期中、託児を実施する日があります。詳細は当館ホームページをご確認ください。

ギャラリートーク
展覧会の見どころを担当学芸員が解説。
[日時]9月27日(土)、10月11日(土) 各日とも 14:00~15:00 [定員]各回20名程度 事前申込不要/当日先着/要観覧料
同日、「秩父宮記念スポーツ博物館 スポーツの造形展」のギャラリートークも開催(15:15~16:15)。併せてご参加ください。

きままにおさんぽ会
美術館の周りのびわこ文化公園内を、寄り道しながらのんびりお散歩します。
[講師]横田岳人氏(龍谷大学 先端理工学部 環境科学課程 准教授)
[日時]10月4日(土)10:00~12:00 小雨決行
[場所]滋賀県立美術館、びわこ文化公園 [定員]20名
要事前申込(当館HPから)/抽選/展覧会の観覧には別途観覧料が必要

たいけんびじゅつかん
小・中学生とその保護者対象の、展覧会鑑賞&創作体験。
[日時]10月5日(日)、11月16日(日) 各日とも 13:00~15:30
[定員]15名 要事前申込(当館HPから)/抽選/要参加費/
保護者の方は要観覧料

スペシャルトーク&対話鑑賞(10月中旬開催予定)
[場所]滋賀県立美術館 展示室3 [定員]20名程度
事前申込不要/当日先着/要観覧料

滋賀ダイハツアリーナ×滋賀県立美術館
地域連携講座
ダイハツアリーナから美術館までお散歩して、担当学芸員のギャラリートーク付きで展示を鑑賞します。
[日時]11月5日(水)10:00~12:00 [定員]20名
要事前申込(滋賀ダイハツアリーナHPおよび当館HPから)/抽選/要参加費

いつでも参加できるワークショップコーナー
展覧会会期中、いつでも、誰でも参加できます。
[場所]展示室3前の廊下 事前申込不要/無料

●ビジネスパーソン向け夜の鑑賞プログラム●
アートとの出会いをビジネスの栄養に。
夜の美術館で対話鑑賞等を実施します。
[日時]10月17日(金)、10月31日(金)、11月7日(金)
要事前申込(当館HPから)/抽選/要参加費14:00~15:00 [定員]各回20名程度 事前申込不要/当日先着/要観覧料
同日、「秩父宮記念スポーツ博物館 スポーツの造形展」のギャラリートークも開催(15:15~16:15)。併せてご参加ください。

同時開催の展覧会
秩父宮記念スポーツ博物館 スポーツの造形展
2025.9.27(土)―10.26(日)
[会場]ギャラリー [入場料]無料

会場情報

滋賀県立美術館 シガケンリツビジュツカン

Shiga Museum of Art

会場住所
〒520-2122
大津市瀬田南大萱町1740-1
ホームページ
https://www.shigamuseum.jp/
更新日:2025年8月7日
登録日:2025年8月5日