ID:79805
山本一雄 小さな部屋から Kazuo Yamamoto Exhibition from the small room
会場
奈義町現代美術館 ギャラリー
NAGI MUSEUM OF CONTEMPORARY ART
会期
2025年12月13日[土]→2026年3月1日[日]
※企画展・イベント等は都合により変更になる場合があります。
展覧会概要
山本一雄 小さな部屋から ヤマモトカズオ チイサナヘヤカラ
Kazuo Yamamoto Exhibition from the small room
奈義町現代美術館は企画展『山本一雄 小さな部屋から』を開催します。
山本一雄(1936-)は岡山県瀬戸内市にある長島愛生園で暮らしながら、89歳になる現在も毎日自身の表現と向き合いながら絵を描く画家です。
小学生の頃から絵を描くことに親しんでいた山本が本格的に油彩画を始めるのは、就職する年齢になってからのことです。山本は独学で油彩画を学び、自分の作品が社会の中でどのように評価されるのか、それを知りたいという思いから、40代に入ってから公募展に出品するようになります。特に岡山県美術展覧会(以下県展)においては、そこに出品することが毎年の描く目標となり、現在も県展に向けて新作を描き続けています。
長島愛生園は、日本に初めてできた国立ハンセン病療養所です。山本は故郷や家族と離れ、30代で長島愛生園に入所します。今ではハンセン病は完治しているにも関わらず、山本は、今でも長島愛生園で暮らしながら、絵を描いています。
その暮らしの中で描かれる作品には、長島の海や、望郷の想いが込められた山々の作品などが多くあります。近年ではこれまで描いてきた作品の中のいくつものモチーフを断片的に取り出し、それらが共存したような作品を描いています。面相筆という細い筆で塗り重ねられた作品には、圧倒的な時間が凝縮されています。モチーフは一見恣意的に選ばれたように見えますが、山本の暮らしてきた時間と密接に関わった、長い時間をかけて培った感覚による必然の中で選ばれ、それらが共存することで、積み上げられたはずの色による時間が解体され、混ざり合い、溶け合うような不思議な時間世界に鑑賞者を誘います。
何かを表現するとき、その原動力となるものは喜びなどのポジティブな感情だけではありません。悲しいや寂しいという感情が、絵画の中に込められた場合、それらはどのような形や色をして、絵画世界に表現されるのでしょうか?山本は描く理由を「楽しいから描いている。それだけ」と話しますし、それ以上のことは話しません。私たち鑑賞者は、山本が繰り返し描くモチーフや、繰り返し塗り重ねる色に、どのような感情を呼び起こされるでしょうか?山本が繰り返し描かなければならなかった絵画には、私たちが暮らしの中で、知らなければならないこと、見つめなければならない大事な何かが込められているように感じます。
本展が、画家・山本一雄が描く作品世界の「美しさ」を感じていただくと同時に、その先にある「大事な何か」について考えるきっかけになればと思います。
- 主催者
- 奈義町現代美術館
- 休催日
- 月曜日、祝日の翌日、年末年始(12月28日[日]→1月5日[月])(但し、1月12日[月]・2月23日[月]は開館/1月13日[火]・2月12日[木]・2月24日[火]は休館)
- 開催時間
- 午前9時30分 ~ 午後5時
- (入場は4時30分まで)
- 観覧料
- 一般・大学生200円(高校生以下・75歳以上は無料)
- *常設との共通の場合は通常料金700円で企画展もご覧頂けます。
- 展覧会ホームページ
- https://www.town.nagi.okayama.jp/moca/news/20251213.html
イベント情報
◎学芸員によるギャラリートーク(会期中随時)
ご希望の方に学芸員が作品解説をいたします。尚、学芸員不在の場合もありますのでご了承下さい。
会場情報
奈義町現代美術館 ナギチョウゲンダイビジュツカン
NAGI MUSEUM OF CONTEMPORARY ART
- 会場住所
-
〒708-1323
勝田郡奈義町豊沢441 - ホームページ
- https://www.town.nagi.okayama.jp/moca/
登録日:2025年6月17日