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広島市現代美術館コレクション展 2024-Ⅲ Hiroshima City Museum of Contemporary Art Collection Exhibition 2024-Ⅲ

ハイライト+リレーションズ [ゲストアーティスト:西島大介] キャラクターの展開図

HIGHLIGHTS + Relations [Guest Artist: Nishijima Daisuke] Character Development

会場

広島市現代美術館

Hiroshima City Museum of Contemporary Art

会期

2024年12月21日(土)~2025年4月6日(日)

展覧会概要

広島市現代美術館コレクション展 2024-Ⅲ ヒロシマシゲンダイビジュツカンコレクションテン 2024-Ⅲ ハイライト+リレーションズ [ゲストアーティスト:西島大介] キャラクターの展開図

Hiroshima City Museum of Contemporary Art Collection Exhibition 2024-Ⅲ HIGHLIGHTS + Relations [Guest Artist: Nishijima Daisuke] Character Development

「コレクション展 2024-Ⅲ」では、当館コレクションの特質に親しんでいただくとともに、関連するテーマに沿った内容の展示を合わせて紹介します。第1室から第3室にかけては「ハイライト」として、それぞれの部屋に添えられたキーワードを通して収蔵作品をご覧いただきます。そして、第4室では「リレーションズ」と題して、展示内容をコレクションに限定せず、当館の収集方針や収集された作品、あるいは、広島という地域性などと関連した、コレクション展示の延長線上に位置付けられる企画を実施しています。今回は、漫画家であり現代美術家としても活躍する西島大介をゲストアーティストに迎え、「キャラクターの展開図」と題し、西島が手がけてきたキャラクターの世界を展観します。

HIDHLIGHTS ハイライト
表象と身体 (A-1)
身体は、絵画や彫刻の身近なモチーフとしてしばしば用いられてきました。現代美術の分野では、ただ単に「ひとのかたち」を模したものだけではなく、時代や社会背景を伴った様々な表象としての身体表現が試みられています。中でも、イヴ・クラインの《ブルーのヴィーナス》は、既成の石膏像に自ら開発した鮮やかな青い顔料を吹き付けた作品で知られ、ありきたりなはずの石膏像が、クラインによって現代的で、概念的なヴィーナス像を想起させます。そして、セルフポートレートの手法を用いメイクやコスチュームで自らが様々な姿に変装する澤田知子や、奇妙に歪められた人物像を表した作品群で独自のスタイルを確立したフランシス・ベーコンなど、当館の収蔵作品の中から多様な身体の表象をご紹介します。

作家とスタイル (A-2)
作家たちは、それぞれの探究をとおして自身の世界を創り上げていき、そうした中で独自の表現スタイルをつかみ取っていきます。そんな中、ひと目見てその作家のものと分かるような外見上の特徴や、独自の制作方法や作品づくりのシステムを備えたスタイルにたどり着いた作家たちもいます。とりわけ作風がわかりやすい形で表れている作品をご覧いただきます。

広島/ヒロシマ (A-3)
広島は、被爆地としての特質を意識して語られる際、しばしばカタカナで 「ヒロシマ」と表記されます。当館の収集方針のひとつに「『ヒロシマ』と現代美術の関連を示す作品」があり、「ヒロシマ」をテーマとした制作委託による収集も行ってきました。広島/ヒロシマという地域性に関連付けながら生み出された作品を中心に展示します。

Relations リレーションズ (A-4)
当館の長期休館中に活躍した休館期間限定キャラクターの「無題さん」(リニューアル後は「むだいさん」)をはじめとする西島大介の描くキャラクターは、しばしば子どものような愛らしい姿で描かれます。一方で、ほのぼのとした見た目とは裏腹に、西島はベトナム戦争を題材とした『ディエンビエンフー』などでは、戦争や残酷な場面、人々の葛藤も描き出します。西島はキャラクターの制作を「設計する」「開発する」という言葉で言い表します。「マンガとして着地させるために、コンセプトや物語、キャラクターの口癖や傾向が自動的に生成される」と話すように、それはまさに鑑賞者には見えない設計図に基づき開発(Development)された存在と言えるのではないでしょうか。このセクションでは、西島自身が約20年以上にわたり制作してきたキャラクターを俯瞰し、集約した《キャラクターの展開図》と共に、絵画や立体、音楽配信やインディゲームなど様々な展開を見せていくそれぞれのキャラクターたちの世界をご覧いただきます。


Guest Artist Nishijima Daisuke Character Development
ゲストアーティスト 西島大介 キャラクターの展開図
2020年の12月、休館中の広島市現代美術館のために「むだいさん」(旧名「無題さん」)というキャラクターを作りました。「むだいさん」は寡黙ですが、アートの声を聞くことができる特殊能力を持っています。
ヘンリー・ムーア《アーチ》、オノ・ヨーコ《My Mommy Is Beautiful》、河原温《I GOT UP》ほか。広島市現代美術館のコレクション作品たちは、自らの来歴や価値について、それぞれの口調で「むだいさん」に語りかけます。
自分について雄弁に語る現代アート作品たち。これは「むだいさん」をマンガにする時に、自動的に発生した設定です。2024年にはRPGゲーム《むだいさんアドベンチャー》を制作。ゲームには目的が必要なので、ここで《アートのきざし》というアイテムが生まれました。
もし、アート作品自身が人間よりも芸術について詳しかったら? もし、アート作品自身が芸術を証明する《アートのきざし》を身につけていたら? それは人間の思考を超えた、絶対的な芸術の証明になるはずです。現代アート作品は自分が「純粋な芸術」であることをあらかじめ知っていて、自分について議論したり値段をつけたりする人間を黙って見ているわけです。
キャラクターを作り、マンガやゲームに展開し、今回の展示を行うに当たって、このような理論・・・いや「真理」にたどり着きました。絵画、立体、マンガ、インディーゲーム。ここにある作品の「声」に耳を澄まし、《アートのきざし》を見つけてださい。
―西島大介

休催日
月曜日、12月27日~1月1日 ※月曜日が祝休日にあたる場合はその翌平日
開催時間
10:00 ~ 17:00
※入館は閉館の30分前まで
観覧料
一般350(250)円、大学生250(150)円、高校生・65歳以上150(100)円、中学生以下無料
※( )内は30人以上の団体料金
※原爆障害者章、身体障害者手帳ほかをお持ちの方は無料
【ハロー!コレクションデー】毎月第3日曜日コレクション展無料
【開館35周年記念日】5月3日:全館無料
【こどもの日】5月5日:高校生以下無料 【文化の日】11月3日:全館無料
展覧会ホームページ
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/collection2024-3

イベント情報

●アーティストトーク~「アートのきざし」を探しに~
12月22日(日)15時30分~16時30分

●こどもゲームじゃむ~作る・遊ぶ・配信する~
ゲームづくりを体験します
対象:小学生(見学可)
2025年4月5日(土)10時30分~16時
(途中休憩をはさみます)
※要申し込み(3月14日〆切)
※詳細は、Webサイトをご確認ください

会場情報

広島市現代美術館 ヒロシマシゲンダイビジュツカン

Hiroshima City Museum of Contemporary Art

会場住所
〒732-0815
広島市南区比治山公園1-1
ホームページ
https://www.hiroshima-moca.jp/
更新日:2025年9月11日
登録日:2024年6月19日