ID:7549

開館20周年記念 田園の夢

帰りなんいざ、田園まさに荒れなんとす

会場

福島県立美術館

Fukushima Prefectual Museum of Art

会期

2004年10月16日(土) ~ 2004年11月23日(火)

展覧会概要

開館20周年記念 田園の夢 カイカン20シュウネンキネン デンエンノユメ 帰りなんいざ、田園まさに荒れなんとす

人間の生活になくてはならぬもの、それは「食」であり、それを支える「農」であるといえるでしょう。田畑を耕して米や野菜を収穫し、人は自然のめぐみを受けてきょうも暮らしています。太古から多くの人々が農耕にたずさわってきた日本では、そうした農村の風景や野菜、果物といった収穫物が、絵画作品にも登場しています。
田園と絵画の結びつきは古く、宮中行事・大嘗祭で、各地の新穀が献じられ、それにちなんだ屏風絵が飾られたことが平安時代からの記録にみえています。やまと絵では、十二ヶ月の風物を描く月次絵にも、田植や収穫の場面がよく登場します。室町時代には鑑戒画である耕織図や禅宗絵画の蔬菜図が中国からもたらされ、日本においても唐絵の画題としてさかんに描かれていきました。江戸時代には狩野派、文人画家、四条派など様々な絵師たちによって、田園のイメージはヴァリエーション豊かなものになっていきます。さらに明治以降の近代には都市化、工業化が急激に浸透する一方、失われていく田園への郷愁と哀惜によって、あらたなユートピア、理想郷としての田園像がうまれ、画家たちの田園趣味が展開していったとみることができます。
一般的には、耕作図は豊作を祈念するものであり、南瓜や蕪は吉祥のしるしとされています。しかし基本的に都市生活者である画家は外側から田園を観察し、あるいは憧憬し、さまざまな決まり事を超えて、それぞれの田園を描かずにはいられませんでした。画家は田園のイメージに何を託し、何を表現しようとしたのでしょうか。それを解き明かすことは、日本の歴史や文化というものが自然の中でどう育まれてきたかを検証することに他なりません。田園は、自然と人間との接点であり、日本人の生活の基盤であるからです。
本展では、室町時代から近現代にいたる日本画の名品75点によって、田園のイメージの諸相を明らかにします。時代を代表する画家たちによる豊穣な絵画世界をお楽しみいただくとおもに、わたしたちにとって田園とは何かを考える機会となれば幸いです。

主催者
福島県立美術館
休催日
月曜日、11月4日
観覧料
一般・大学生1000(800)円/高校生500(400)円/小・中学生300(240)円 ※( )内は20名以上の団体料金
展覧会ホームページ
http://www.art-museum.fks.ed.jp
展覧会問合わせ先
福島県立美術館Tel.024-531-5511

会場情報

福島県立美術館 フクシマケンリツビジュツカン

Fukushima Prefectual Museum of Art

会場住所
〒960-8003
福島市森合字西養山1
ホームページ
https://art-museum.fcs.ed.jp
更新日:2010年10月18日
登録日:1999年3月31日