ID:70096
収蔵作品展
会場
フジヤマミュージアム
FUJIYAMA MUSEUM
会期
2022年3月10日(木)~5月29日(日)
展覧会概要
収蔵作品展 シュウゾウサクヒンテン
富士 宝永火口と大沢崩れ
美しい稜線と美しい山肌を見せている富士山ですが、山梨県側から見た富士山と静岡県側から見た富士山ではその姿が異なっています。静岡県から見た富士山には中腹部に宝永年間の大噴火によってできた宝永火口と宝永山が、一方の山梨県側からは風雨や気温の変化によって侵食された大沢崩れや吉田大沢が山頂直下から見られ、その各々の様子は展示した絵画作品でもはっきりと描かれています。
1707年(江戸時代宝永年間)の富士山の大噴火では、火山灰が偏西風に乗って100㎞以上も運ばれ、江戸(現在の東京)でも4㎝ほど火山灰が積りました。その時の噴火で富士山の中腹に出来た噴火口は、最大直径1200mと現在の山頂の約700mの火口を大きく上回るものでした。同時に宝永山も出現して、その時の人々の驚きの様子は葛飾北斎の富嶽百景にも描かれています。
一方、山梨県側からは、風雨や厳しい気象によって山肌が侵食されて出来た大沢崩れや、吉田大沢などの大規模な侵食谷が見て取れます。富士山には800以上の放射谷、侵食谷が発達しており、その最大級のものが西の大沢崩れ、北の吉田大沢です。山頂の剣ヶ峰の直ぐ下から伸びる長さ2.1㎞、最大幅500m、深さ150mの大沢崩れは日本国内でも最大級の沢で、現在でも1日当り10トン積みダンプカーで28台分の土砂が崩れていて、日々防災工事が進められています。
この様な厳しい現実もありますが、画家たちは自然の過酷な営みにも目をそらす事なく挑み、むしろ山容の調子の変化として取り込みながら、富士の美しい絵姿を描き続けています。
会場情報
フジヤマミュージアム フジヤマミュージアム
FUJIYAMA MUSEUM
- 会場住所
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〒403-0017
富士吉田市新西原5-6-1 - ホームページ
- https://www.fujiyama-museum.com/
登録日:2022年4月6日